鹿山です。
今回はビターズについて。
近年、ホームメイドビターズが世界的にも流行りで様々なビターズが作られ、また昔に失われたビターズを復刻させるなどのムーブメントがある。
アメリカ禁酒法以前は様々なビターズ会社があり、その時代のカクテルにもビターズが入るレシピがたくさんあった。
が、しかし
禁酒法により、ビターズ会社がバッタバタと製造をやめる。
その時代の波を乗り越えて生き残ったのがアンゴスチェラビターズ。
Bar BenFiddich にも現行と従価時代のアンゴスチェラビターズが二種類あります。
ではアンゴスチェラについて。
細かい内容は他のサイトでも書いてあるので軽くの説明で。
アンゴスチェラビターズは1820年代にベネズエラのアンゴスチェラ町(現在はシウタド・ボリバル市)
でシーガート博士によって考案。
やっぱり当時は薬としての立ち位置。
現在はトリニタードトバコに工場を移設して現在に至る。
そんな歴史あるアンゴスチェラビターズを再現してみたい
これを参考にする
・ J.Fritschさんが書いた1891年初版、1904年改訂版の [Nouveau Traite de la Fabrication des Liqueurs]
これにアンゴスチェラビターズのレシピが掲載されている。
はい
材料は
アンゴスチェラの樹皮
サンダルウッド(白檀)
リコリス(甘草)
シナモン
生姜
ガランガル(生姜に似たやつ)
カルダモン
クローブ
オレンジの皮
メース
砂糖
アルコール
これに8日間素材を抽出させ、コチニールやらカラメルで色付けする
コチニールやカラメルはいらないかな。
ここで一つ ?? と思う。
問題はアンゴスチェラの樹皮。
アンゴスチェラビターズの由来は街の名前(アンゴスチェラ町)から来てるのかメイン主成分になるアンゴスチェラ樹皮から来てるのか。
wiki先生によるとアンゴスチェラビターズはアンゴスチェラの樹皮ではなく、アンゴスチェラ町からの町名からの由来と記載。アンゴスチェラの樹皮は使われていませんと書かれる。
苦味の元はゲンチアナであるとしている。
しかし1800年代のアンゴスチェラビターズにはしっかりとアンゴスチェラの樹皮が使われていることがわかる。
ちなみにゲンチアナは記載されず
ということでアンゴスチェラビターズを自家製で作る前にアンゴスチェラの樹皮について調べてみる事にする
海外のサイトでいくつか記載ありました。
アンゴスチェラの葉っぱ
アンゴスチェラはミカン科の樹木
学名 (一般名) Galipea officinalis、Galipea cusparia[Angostura、Cusparia bark。
どうやらトニックウォーターの原料であるキニーネの成分を含むキナ樹皮と酷似していて昔から現地民がマラリア予防として使用してきた歴史があるらしい。
キナ樹皮はペルー原産及びその周辺国で使用。その後は皆様後存知の通りトニックウォーターとして発展。
アンゴスチェラ樹皮はベネズエラから東側の国及び西インド諸島でマラリア予防として使われてきた歴史がある模様。
アンゴスチェラ樹皮はフォーカスされなかったのですね。
そこで鹿山は知的好奇心から1800年代のアンゴスチェラビターズを再現するべくアンゴスチェラ樹皮を取り寄せようと思う。
が、
厚生労働省薬事科によるとアンゴスチェラ樹皮は日本において劇薬指定。
なので断念
海外のサイトでも薬としては使われているが、人体にあまりよろしくない成分が多い模様
アンゴスチェラビターズのラベルを見ると分かりやすく Ce bitter ne contient pas d'ecorce d'angusture.(アンゴスチェラ樹皮は含まれていません)と記載
その変わりに分かりやすくゲンチアナを使用と記載
現行のアンゴスチェラビターズも従価時代のアンゴスチェラにもそう記載されている。
因みにゲンチアナはリンドウの根。
カンパリやスーズ、フェルネットブランカなどのビター系リキュールに使われるやつ。
考察するに大昔のアンゴスチェラビターズはアンゴスチェラ樹皮を使用していたが、いつしかゲンチアナに切り替わったようですね
悔しいがアンゴスチェラ樹皮ではなく現行のゲンチアナを使いアンゴスチェラビターズを再現してみるべく素材を揃えてみた
ハイ どーん‼︎
アンゴスチェラの樹皮
サンダルウッド(白檀)
リコリス(甘草)
シナモン
生姜
カルダモン
クローブ
オレンジの皮
メース
砂糖
アルコール
これをじっくり抽出♩
8日後お楽しみにお待ち下さいませ。
今宵 西新宿Bar BenFiddichお待ちしております。
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