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Channel: 西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)
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②後編 ペルノアブサン スペイン タラゴナ1960's

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こんにちはBenFiddichの鹿山です



ペルノアブサン スペイン タラゴナ1960's
の件を書いてるつもりが本題になかなか入らず前置き長いが御精読ください




前回は
19世紀のペルノ家の繁栄、栄華の歴史について触れた
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ニガヨモギを収穫する画
20世紀初頭
フランス ポンタルリエ





しかしながら繁栄した
アブサンabsinthe業界にも大きな転換期訪れる




アブサンabsintheが1898年にアフリカの コンゴでの飲用禁止を皮切りに
1905年 ベルギー
1907年アルゼンチン
1909年オランダ
1909年ニュージーランド
1910年スイス
1912年アメリカ
1913年イタリア
1914年モロッコ
1915年遂にフランス及び後にフランス植民地圏
で、アブサンabsintheは有害であり、人体に悪影響を及ぼし、幻覚作用があるとされ禁止される
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アルベール・メニャン (1845~1908)
muse verte



しかしながら、
アブサンabsintheが幻覚作用があり、当時禁止されたのは有名な話しであるが、それは一部の国だけである





近隣諸国のスペイン、ポルトガル、英国及び東欧、ロシアは禁止されない





英国は禁止になってないので、歴史的な繋がりで勿論、オーストラリアは禁止にはならないが、なぜかニュージーランドでは禁止される
ということはニュージーランドはアブサンは作っていたのか?という疑問が湧いてくる





実は昔、色々な国がアブサンを作っている





カリブ海に位置する世界初の黒人国家ハイチは元々はフランスの植民地であり、アブサン文化が流入したのか、
首都ポルトーフランスで
absintheを作っていた

1920's~1930'sのハイチ アブサン
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ポルトーフランスと書いてある
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こんなのもある
キューバアブサンabsinthe
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  Aldabo, Habana - Extrait d'Absinthe (circa 1930) 
残存本数は世界に一本しかないと言われている




かのヘミングウェイもキューバで飲んでいたのではないか




さらにCF Berger absinthe 
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推定1900年代初頭~アブサン禁止の1915年まで。
元々はPernod Fils と同じアブサン発祥の地スイス トラヴェール渓谷のクヴェ村で操業

Pernod Filsと同じく、販路拡大
ラベル右下に1900年ブエノスアイレスと書いてある
アルゼンチンにもアブサンを作っていたのだ





から






日本もアブサンを造っている






アブサン文化圏の国々が禁止されてる最中、
日本は1950年代~1990年代初頭までabsintheを製造
サントリーヘルメスアブサン(大阪)
モロゾフアブサン(山梨)
旭興業アリスアブサン(山梨)
東洋醸造ドルフィンアブサン(静岡)




サントリーヘルメスアブサン 
左 90年代
右70年代~80年代
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ではいつから日本には
アブサンabsintheが輸入されてたのか?




考えてみる




①1858年、不平等条約ながら日仏修好通商条約締結
日仏との正式な交易が始まる





②日本初の洋式ホテル「ヨコハマ・ホテル」1860年にオープン
このとき日本初のBarも生誕し、
高級品ではあるが様々な洋酒が日本に入っている





アブサンがフランスで流行、量産化なされるのが1870年代
理由としては
①アルジェリア侵攻領有化後のアブサンを嗜んだ帰還兵による流布
②フィロキセラ害虫によるブドウ畑の壊滅が起因による国酒が希少となり、代用






日本への洋酒輸入の供給ラインの安定化の1860年代以降、




アブサン量産化されるフランス1870年代の事実を統合すると



横浜にあった外国人居留地に1870年代にはアブサンabsintheは日本の土を踏んでいると考えることができる




1870年代に日本の本格的なスタンドバー(カウンターで量り売りをする)である銀座の函館屋には世界の様々な洋酒を陳列し、また店主の信大蔵はフランスに所縁のある人物であることから、この時代のバックバーにアブサンが陳列されていたであろうと考察できる



 
この1870年代の時期にはスイス、フランスでも多数のアブサンの造り手が産声を上げている
それにいち早く量産体制を整えたPernod Fils(現ペルノリカール社)が日本にやってきてるのではないかと思う





そこから1911年創業のカフェープランタンには蓬酒という呼び名として、アブサンを文人達が嗜んでいた記述は残る






さらに変わって諸外国のこと



1830年代   


記録上残存する世界最古のカクテルとして名高い
アメリカ ニューオリンズ生まれのアブサンを使用するカクテル

SAZERAC  サゼラック

ライ・ウイスキー1グラス
角砂糖1個
ペイショーズ・ビターズ1dash
アブサン1dash



商業アブサンがスタートした1790年代Dubied Pere et Filsデュビエ・ペアー・フィルス蒸留所から40年以内には
アブサンはまだマイナーなお酒であったにも関わらずアメリカニューオリンズでは使用されていた
もとい、ニューオリンズはフランス植民地
なので流入は早かったのだろう





ニューオリンズにある現存するアメリカ最古のBar
Old Absinthe House  1807年創業
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ここでアブサンやサゼラックは飲まれたのだろう





本題から脱線しまくったが、ここでペルノアブサンタラゴナに話し戻す
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タラゴナはバルセロナの南西だいたい100キロに位置する地中海の町である
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なぜ、ペルノアブサンがスペインのタラゴナに移転したのかは
アブサンが幻覚作用があるとして、禁止された為、非禁止国のスペインに移転したのだ




アブサンが禁止された深い理由についてはこれ以上書くと長くなるので別の機会に書く




Pernod Absinthe Taragonaが誕生したのは1912年




しかし、初期の
Pernod absinthe taragonaはいわゆる今のPernodではなく、
祖先辿ると直系筋である
Edouard Pernod蒸留所が興した蒸留所である

 


Edouard Pernodエドワードペルノは
アブサン界の父、
現ペルノリカール社の祖
アンリ.ルイ.ペルノーの長男である。




スイス クヴェ村で商業アブサンが始まった1798年
Dubied Pere et Fils蒸留所から量産体制を図り、フランス ポンタリエに蒸留所を移し1805年Pernod Fils蒸留所を立ち上げたアンリ.ルイ.ペルノーは
1827年にクヴェ村に元々あった
Dubied Pere et Fils蒸留所を長男であるEdouard Pernodエドワードペルノに売る

ここに1827年に誕生した
Edouard Pernod蒸留所が
Pernod Absinthe Taragonaの祖である
これにより、現ペルノーの本家本元とは別々の道を歩んでゆく
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因みに本家本元のPernod Filsはもう一人の息子が引き継ぐ形となる





時は進み、Edouard Pernodの子孫達は量産体制に突入し、フランスのポンタリエ、
フランスのリュネルにも工場を増設し、一大ブランドとなる




しかし、1910年 スイスでアブサンが禁制となる





そしてフランスで1915年にアブサンが禁止となる前に
エドワード.ペルノーの子孫
ピエール.ペルノーによって
1912年にスペイン タラゴナに工場を移す。





この時にPernod S.A と名称を改める
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アブサンが禁制化する中、
祖Edouard Pernodはパスティスが普及する中、世界にアブサンを送り続ける
因みに日本も禁制化していないので輸入は続く




しかし、1936年
犬猿の仲にあった本家本元のペルノー社
が買収


Pernod S.A は消滅する





それ以降はペルノー社がペルノタラゴナを引き継ぐ





第二次世界大戦によって一時生産はストップするものの
再開し、
1970年までペルノアブサンタラゴナは作り続ける






年代別によるペルノー社になってからの
タラゴナアブサン
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ラベル、マーク、瓶の色彩、下の文言によって年代を判別できる
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BenFiddichにあるものは1960'sと推測できる

下の文言に
elaborado por Pernod S.A en la fabrica
J.M Banus –tarragonaと書いてある



小さく、Pernod S.Aの文言は遺してくれている


J.M Banusは工場長の名前であり
1930~1965年まで務める


1970年まで蒸留所は創業されていたが、
最後の2年間はニガヨモギは使用されず作っていたようだ



アブサンの需要は時と共に必要とされなくなったのだろう




それからアブサンが陽の目をもう一度浴びるのは解禁される21世紀になってからである



BenFiddichではスペインタラゴナ時代のペルノーアブサンが飲める

パスティスのペルノーとは違う別次元のペルノーを御賞味下さい
味わいは力強く余韻に残るピリピリ感はゴリゴリのニガヨモギを感じさせてくれる




今宵、西新宿 Bar BenFiddich 心よりお待ちしております


イタヤカエデ樹液採取体験

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今日はメープルシロップ及びカエデについて。
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メープルシロップの本場はカナダである







ただ、カエデ自体は北半球ほぼ全域に分布
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早春のこの時期に地下から、カエデが水を汲み上げてでる樹液がメープルシロップの元となる










北半球ほぼ全域にカエデが存在するのだからと、
いま日本は埼玉の秩父で
『森を活かし、森と生きる』
NPO法人秩父百年の森が和メープルを手掛けている











早春のこの時期に秩父ではイタヤカエデの樹液採集体験が開催されているのでいてもたってもいられず、バーテンダー仲間を誘って秩父へ突撃
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池袋から特急レッドアロー号
一時間半
秩父到着
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更にバスへ乗車、長野との県境にある埼玉最西部、現秩父市、旧大滝村へ
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旧大滝村は
ルパン三世銭形警部の初任地
埼玉県警西大滝町派出所であり、銭形警部発祥の地である
『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』より
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カエデの群生群のある場所へ
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こんな感じで採取している
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イタヤカエデに数センチ穴を開けると
チョロチョロと流れ出る
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イタヤカエデの樹液はショ糖1%~2%である。なので味わいとしてはほのかに甘い水である。
 





カナダのメープルシロップの元になるカエデはサトウカエデでショ糖が2%~5%あり、糖度が高い







日本にもサトウカエデは自生しているのだが、現存本数の関係と日本はイタヤカエデの自生本数が多いのでイタヤカエデとなる








イタヤカエデの樹液が採取できるのは早春の時期である
採取できる発動条件として
夜にマイナスの気温から日中、気温8度前後まで上がるという気温条件を満たすと樹液が流れでる



イタヤカエデの中の温度は外気がマイナスになろうとも常に0度



つまり木の中の樹液はみぞれ状になっている



そこに外気温が上がると溶けて外に流れでるのであろう








採取した樹液
煮詰める
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焼きマシュマロと絡めて食べると美味しいよ











今年からシュガーハウスも建立する
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カナダから取り寄せた機械で本格的に樹液を煮詰め、和メープルシロップを作る











秩父では秩父で採取したメープルシロップ及び、イタヤカエデの樹液原液も買える。
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BenFiddichではこの秩父のイタヤカエデの樹液と共に
昨今、世界を圧巻している秩父ウィスキーイチローズモルトの樹液割りを提供する
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クルクルっ
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どーん
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ショ糖1%~2%の樹液がほのかに秩父ウィスキーの味わいに膨らみを持たす



今宵、西新宿 Bar BenFiddichお待ちしております


ボタニストジン フォレッジ カクテルコンペティション 優勝

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鹿山です




去る2015年6月


青山で行われたボタニスト.ジン.フォレッジ.カクテルコンペティション
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ボタニスト.ジンとは




WILD(野生).FORAGED(採取).DISTILLED(蒸留)のスローガンのもと、創られるスコットランドはヘブリティーズ諸島アイラ島のブルイックラディ蒸留所がセカンドラインで作るクラフトジンでアイラ島の22の手摘みされたボタニカルと9つのコアボタニカルで構成されている
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昨今、世界を圧巻しているクラフトジンブームの先駆け的存在のジンなのである







食、酒、文化として、Slow Food, 
Farm to Table、自産自消、及び地産自消
その土地のその土地でしかない、その土地だからできるという、ならではのアイデンティティが差異として発信されている
今、
クラフトジンも例に漏れずボタニカルかなる商材として、その土地のローカルなボタニカルを使い個性を出して様々なクラフトジンが世に発信されゆく



都会でなくてもSNSの発達によってローカルな場所から世界に発信できる土台がもうできているのだ





そのボタニスト.ジンの親会社である
レミーコアントロー社が去年から
ボタニスト.ジン.フォレッジ.ド.カクテルコンペティションを世界各国で開催している







日本でも去年、開催
手摘みしたボタニカルを最低1種類使用し、ボタニスト.ジンをベースにして創作カクテルを作るという趣向の大会である





細かい大会の内容として、





Creativity(創造性)をカクテルの創作テーマにし、日本国内で自生および栽培されているボタニカル(植物の芽・実・皮・茎・根等)を自らの手で採取し、それを最低1種類使用することを条件とした
クリエイティビティ(製品特徴・コンセプトを引き立てているか)、プレゼンテーション(製品の魅力を伝えられているかとカクテルの見た目)、味と香り(製品の香り、味わいを引き立てるカクテルであるか)が審査される大会だ







    優勝商品はスコットランドはアイラ島に行き、アイラ島在住の植物学者と植物摘み、及びアイラの植生を観察するツアー御招待









    とても興味深いものだ






      


    なので、鹿山もエントリーしてみた









    手摘みしたボタニカルを最低1種類使用という規定なのだが、鹿山は元々、地元の畑で香料植物を栽培してるのでそれをふんだんに使ってみた
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    材料名分量
    ザ・ボタニスト30ml
    ジャパニーズ・ボタニカル・ソーダ(大和橘、黒文字、肉桂の葉、杜松の実、薄荷、 苦蓬、カミツレ、イタヤカエデの樹液(メイプル楓露)60ml
    フレッシュ・ライム・ジュース5ml
    蜂蜜5ml


    カクテル名

     2 regional botanical


    意味

    (二つの特定地域のボタニカル)



    アイラ島の22の手摘みされたボタニカルと鹿山畑の手摘みされた二つの特定地域のボタニカルが合わさるカクテルである









    では一部の鹿山畑のボタニカルを紹介
    姫ハッカ  (日本固有種のミント)


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    カミツレ(カモミール)
    {D641525F-9522-4DCF-A56B-CAD1C4FD067D:01}


    ジュニパーベリー
    {2BA395EA-FFA8-4955-BBBB-8C35265C1FE0:01}


    肉桂
    {0DFD89DF-8ADC-4271-A665-50238AED0BDE:01}


    ワームウッド(ニガヨモギ)
    {FA453CBC-316B-4D8F-B7C5-C4768D7FE2F0:01}


    それ以外にも黒文字、橘など。







    そして、







    こんなカクテルになる
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    予選は書類選考によって選定され、書類で選ばれた代表5人で接客プレゼンテーション形式でのメイキング







    会場は青山にある、バックバーがボタニカルガーデンな素敵な会場で開催
    {F5324380-4559-4B71-8FC5-9D37B2D03201:01}








    マイクをつけてのプレゼンテーションでのメイキング
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    そして、





    結果は‥‥






    優勝したよ
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    審査員の岸さんともお写真を撮って頂く
    {FA32C89A-86E6-4190-809D-FE71AAC7F879:01}






    みんなでパシャり
    {72213588-DE63-4647-9668-81A89179FC99:01}






    そしてボタニスト.ジン.フォレッジ.ド.カクテルコンペティションの優勝商品として2016年3月13日から一週間
    スコットランドはアイラ島、オークニー諸島、スパイサイドの三箇所を周り、
    アイラ島では植物摘みを、スコットランドの植生を勉強するツアーに行ってきます
    {F949624E-AD3E-4B18-A751-D788EA511CFA:01}



    この度は様々な方の協力により優勝することができました。
    レミーコアントロー社様始め、審査員の方々、スタッフの協力あってのことです。
    しっかりと勉強していきます。



    また本年2016年もボタニスト.ジン.フォレッジ.ド.カクテルコンペティションを開催されるので是非、興味がある方は参加して頂きたい





    今宵、西新宿Bar BenFiddichお待ちしております

    前編 ①スコットランドボタニカル採取 オークニー諸島編

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    鹿山です





    前回のブログ記事で書いた
    ボタニスト.ジン.フォレッジ.ドカクテルコンペティションの優勝商品
    スコットランド研修をプレゼントされる
    {7E1C3B92-32F9-4F6D-8C56-3BD51D5E95F3:01}






    研修内容として、
    スコットランド

    ①オークニー諸島
    ハイランドパーク蒸留所 

    ②スペイサイド地方
    グレンロセス蒸留所

    ③アイラ島
    ブルイックラディ蒸留所
    の三ヶ所を訪問




    そして、メインの研修プログラムは
    アイラ島在住の植物学者と共に、アイラ島の植生を学ぶというプログラム







    しかし、







    そこに甘んじず、
    鹿山個人的裏イベントを用意した






    内容は
    ボタニスト.ジンも提唱している
    WILD(野生)
    FORAGED(採取)
    DISTILLED(蒸留)のスローガン
    及び、
    昨今ある
    Farm to Table、自産自消、及び地産自消
    その土地のその土地でしかない、その土地だからできるという、ならではのアイデンティティを鹿山的アイデアでスコットランドで形にし、
    日本へ持ち帰る

     

    それは



    オークニー諸島
    スペイサイド地方
    アイラ島
    の三ヶ所で自生する植物を採取し、


    現地採取
    現地浸漬
    現地蒸留


    して日本に持ち帰る



    なので、
    スコットランドに蒸留機を持っていく
    {48475A1F-8CDD-463F-A99E-262E530652C9:01}

    スコットランドへの持ち物
    ①2ℓ蒸留機
    ②ボタニスト.ジン(抽出用)
    ③スピリタス(抽出用と燃料用兼任)
    ④食品乾燥機(ディハイドレーター)
    ⑤アルコール抽出用容器
    ⑥採取用シャベル&ハサミ
    ⑦採取用ジップロック
    ⑧手袋やらタオルやら

    あと着替え




    以上の装備で羽田空港へ
    {AA2BC5D4-AD57-46AA-BEC3-AC0BE13C7E74:01}

    羽田
    ヒースロー(イングランド)
    エジンバラ(スコットランド)
    カークウォール(オークニー諸島)


    {E92B834D-D86E-47AD-A17E-BCD154349304:01}





    乗り換えを数度こなし
    スコットランドの北端のオークニー諸島に到着
    青い色がオークニー諸島である
    {B52034B1-3F9F-4817-B8DD-4F3470612185:01}
    北緯59度
    日本側でゆうと、サハリン(樺太)の最北端が54度であるからかなり北
    しかし、
    メキシコ湾流と偏西風の影響を受けているため、オークニー諸島は比較的高緯度にありながら著しく温暖
    寒暖差がなく
    年間平均気温は8度冬期の平均気温は4度、夏期の平均気温は12度である
    強風が多く、平坦な地形の為樹々がほとんどない
    そして日本では見れないドラクエ的フィールドが続く
    {C2CA8AD1-ACCC-48BF-93D3-E16DE4DE8ACE:01}




    限られた滞在時間と朝9時にはレミーコアントロー社様が用意して頂いた素敵な研修プログラム(ハイランドパーク蒸留所見学)が待っているので、
    朝4時には起きて
    朝5時前には植物採取をする。





    ところどころに生えてるヒース
    こういうのを採取
    {2B0CCA44-00A8-4E95-8A39-C4F61E719D1F:01}








    採取を朝9時までに完了させる為
    頑張る
    {36062D18-F323-4E2F-8AA4-D8E7054C3A1D:01}






    事前にグーグルアース先生に日本から遠隔操作で採取ポイントを選定していたのでスムーズかつリズミカルにフォリッジする
    {D9D35440-DA5A-4B5C-80FD-11D5AA45736C:01}





    オークニー諸島では4種採取
    {319F3240-0B62-418D-A7F4-0340E0FB513A:01}





    この子達をスピリタスとボタニストジン混合アルコール度数60度に合わせて浸漬しておく
    {0D6A215F-583F-4F7B-A6B7-A92632AD88D8:01}
    これを
    オークニー諸島、
    スペイサイド地方、
    アイラ島、
    の三ヶ所で浸漬したボタニカルを集め、最終日にアイラ島で朝陽を浴びながら蒸留しよう








    から、


    一仕事終え、

    朝9時からレミーコアントロー社様が用意して頂いたハイランドパーク蒸留所への見学へ
    歴史、製法、この土地の文化を学ぶ 



    ハイランドパークのストレートベッド型の蒸留機
    {6DFA5BD2-3BF0-4EDE-AC42-26A4FE176262:01}









    同行した皆様及び蒸留所スタッフと
    ハイランドパーク蒸留所の前でパシャり
    {F6CC096C-6FC2-4A79-98BE-0EB63681F561:01}








    そして滞在僅か1日なので次はアバディーンからスペイサイドへ
    {59B4D885-DF3C-4D33-AF67-3BD4070CEF2B:01}






    さようならオークニー諸島
    {5D71F60A-498A-427F-BCB3-23640C1FE48C:01}






    次回スペイサイド編






    今宵、新宿西口 
    西新宿Bar BenFiddich(ベンフィディック)

    お待ちしております。










    ②中編 スコットランドボタニカル採取 スペイサイド編

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    ブログ更新滞りました
    鹿山です







    日本からスコットランドへ
    小型蒸留機を持ち込み
    スコットランドに自生するボタニカルを 




    現地採取
    現地抽出
    現地蒸留




    という『ただ鹿山やってみたかった』
    シリーズを実現すべく行われる
    スコットランド紀行
    {44A6DCB1-F15B-453D-8EEB-426893943157}

    (最終着地点アイラ島の画)









    前編はスコットランド本島最北端から海を隔てたオークニー諸島でのボタニカル採取







    次の採取地ここ
    スペイ川周辺のボタニカル
    {A01F80A7-3461-4839-AE33-50A97F5B3DC7}

    モルト・ウィスキーの聖地と呼ばれ言わゆるスペイ・サイド
    このエリアはブリテン島で一番高い山々が連なる、スコットランド中北部、グランピアン山脈の北方にあるスペイ湖を流れ出して蛇行しながら北海に流れ込む全長172kmのスペイ川流域を指す






    第二採取地
    ウィスキーの大聖地、スペイサイドの中心点クレイゲラヒ村の横に流れるスペイ川で植物採取
    {5EA21B03-F672-4567-8249-FD81F06F1959}




    スペイ川
    {81BA7642-6502-48A7-A791-373C49CBFBC1}







    こんな感じで川沿いにあるボタニカルを捜す
    {547A5230-1546-4B1F-98FD-E333DE109FF1}







    早咲きのお花スノードロップちゃん
    {8B85CBBA-0C27-4F70-9266-68D4686C911D}







    平地でのボタニカルは季節も季節で三月でありオークニー諸島のそれとはあまり変わらない
    オークニー諸島は強風が吹き荒れる地で、樹木がほとんどなかったので
    スペイ川周辺は樹木系がうっそうとしているので、樹木系を採取してみることにした
    上写真の
    川反対側の崖っ淵に渡って、
    樹木系のボタニカルを摘んでみることにする
    {5F32322C-95D4-492C-8A74-B8AEB66D010E}

    早起きしてもらい植物採取を手伝ってもらった同じ同行者のバーテンダーS君








    川反対側に到着
    {990F7E28-9DC6-423F-A906-861534F38D68}










    こんな感じでモジャモジャしている
    {05EFEF8B-4047-40AF-B093-8E033C4349DE}








    モミやら杉やら、松の仲間などをGET
    {F64F99AA-3F73-4990-81C5-B9C483F1368E}


    摘んで揉んで香りを聴いてみると、

    日本のモミ、杉、松のそれとは少し違う芳香があった
    日本人とスコットランド人が同じ人科であるが姿形、気性が違うのと同様、
    こちらのモミ、杉、松もお国柄が違うようだ







    コケもいっぱいある
    {3FFE46E6-8177-4653-83A6-947EB0D358B0}








    採取したボタニカルをホテルへ持ち帰る
    {665797DE-48F0-4405-BA85-1532776502DF}




    そして、抽出しておく
    {D3955F0E-6436-4190-BEE9-608E97715949}










    この工程を毎朝行い
    朝9時にはレミーコアントロー社様が用意して頂いた素敵なウィスキー蒸留所見学も待っている
    この日もグレンロセスの蒸留所見学である
    {5324B594-49F6-4629-8DE5-4355352C6F6F}





    そして、最終目的地ラスボス感満載のアイラ島へ
    {63346F18-BC4D-48DC-B0D7-FF2897631069}







    次回
    アイラ島編






    今宵、西新宿Bar BenFiddichお待ちしております











    後編 ③スコットランドボタニカル採取 アイラ島編

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    鹿山です








    ボタニスト.ジンが提唱する
    WILD(野生)
    FORAGED(採取)
    DISTILLED(蒸留)
    のスローガンを
    鹿山なりの形で表現すべく
    スコットランドに小型蒸留機を持ち込み






    現地採取
    現地抽出
    現地蒸留


     



    という『ただ鹿山やってみたかった』
    シリーズを完遂すべく行われる
    スコットランド紀行







    前回の記事により、
    オークニー諸島、スペイサイド地方
    のボタニカル採取は完了し、
    最終目的地アイラ島へ降り立つ
    {524EC1DC-689A-46CC-8D14-ED766FAE33C8}








    アイラ空港に到着


    レミーコアントロー社様が用意して頂いたボタニスト.ジンカラーのバスが出迎える
    {73E969D6-C0FC-41E2-B120-4F19426825FC}







    そのままボタニスト.ジンが製造される
    ブルイックラディ蒸留所&
    横に併設されるブルイックラディホテルへ
    {01E7AC62-80D9-4954-91BF-9A4384F8692D}







    ボタニスト.ジンが作られる
    ローモンドスチル
    {562DD763-0D3C-429C-9A5F-4B1C09E11259}



    スワンネックの所にニョキっとメタリックなバスケットにボタニスト.ジンのアイラ島で自生する22の植物採取家による手積みされたボタニカル
    が水蒸気蒸留法(ヴェイパーインフューズ)として作られる
    以下、22のアイラ島で手積みされる
    ボタニカル
    {3C28F350-F469-4B9D-BA4F-8AB8FD551FCE}
    1、Red Clover アカツメクサ
    2、Spear Mint スペアミント
    3、Sweet Cicely 藪人参
    4、Bog Myrtle ヤチヤナギ
    5、Tansy ヨモギギク
    6、Water Mint 沼薄荷
    7、White Clover シロツメクサ
    8、Wild Thyme タイム
    9、Wood Sage セージ
    10、Apple Mint アップルミント
    11、Chamomile カモミール
    12、Greeping Thistle ヨーロッパアザミ
    13、Downy Birch ヨーロッパダケカンバ
    14、Elder ニワトコ
    15、Gorse ハリエニシダ
    16、Hawthorn サンザシ
    17、Heather ヒース
    18、Juniper ジュニパーベリー
    19、Ladys Bedstraw 河原松葉
    20、Lemon Balm レモンバーム
    21、Meadow Sweetシモツケソウ
    22、Mugwort ヨモギ


    この22のアイラ島で手積みされたボタニカルが水蒸気蒸留法(ヴェイパーインフュージョン)でバスケットに入る
    これがボタニスト.ジンの特徴となる


    そして九つの伝統的なコアボタニカルが使われる。
    1、Angelica root アンジェリカの根
    2、Lemon peel レモンピール
    3、Cassia Bark カシア
    4、Liquorice root リコリス
    5、Cinnamon Bark シナモン
    6、Orange peel オレンジピール
    7、Coriander seed コリアンダーシード
    8、Oris Root オリス
    9、Juniper Berries ジュニパーベリー



    この九つのコアボタニカル(海外より輸入)を数日間浸漬、
    蒸留し、
    アイラ島で手積みした22のボタニカルをヴェイパーインフューズ(水蒸気蒸留)する

     



    合計31種類のボタニカルからボタニストジンはできあがるのである












    このレミーコアントロー社様が用意して頂いた研修旅行
    オークニー諸島、スペイサイド地方ではウィスキーの蒸留所見学であったが、




    ここアイラ島では 




    ①アイラ島在住の植物学者による講義

    ②ボタニスト.ジンのボタニカルを採取している植物採取家と共にアイラ島の植生探訪

    ③ボタニスト.ジンの製造工程の見学
    という
    植物好きには鼻血が止まらない
    豪華3点セットである










    蒸留所見学が終わった後は
    アイラ島在住の植物学者ご夫妻の講義

    この方々がボタニストジンの22のボタニカルを選定した植物学者さんだ
    {33F17443-2E22-4EC4-8DE5-83E4CF62904D}








    素敵な講義を拝聴
    {4419660A-9958-43A1-BE39-C92048BB772E}

    実際に使われているアイラ島で手積みされる22のボタニカルを一つ一つ丁寧に学ぶ






    高純度のアルコールで抽出してある
    各々のボタニカル
    {26B3A2E6-4B13-4BC2-91C4-D40ED1CAF123}
    一つの疑問があり、
    22の手積みされたボタニカルで作られているといっても
    開花時期など各ボタニカルには適した採取時期がある


    ボタニストジンは年中作っているわけではなく、夏以降に蒸留する
    春から夏にかけて採取し、
    あるボタニカルは乾燥保存
    あるボタニカルはアルコール抽出をして、

    22のボタニカルが揃った時点で蒸留する
    この22のボタニカルはバスケットにいれてヴェイパーインフュージョン(水蒸気蒸留)するのだが、
    アルコール抽出した液体もバスケットにいれる
    これはバスケットの中が特殊製法になっていてブラックボックスであり、理屈は教えてくれなかった







    植物学者の講義の後
    ボタニカル採取家の方と実際にアイラ島での植物探訪
    {CFABCB86-C0D8-471E-90AA-013B987AFB1D}








    アイラ島の様々地形に出向き、植生の講義を受ける


    ①木々の植生及びその環境下に育つ植物の講義
    {03C73402-70C2-4EF6-8D2E-0387C032D6C3}









    ②川っぺりの植生
    {F62F0679-B457-406D-BF36-FD54617A9F21}









    ③海岸沿いの植生
    {2750C7B0-B237-4CD4-B7C9-D9B35E26A378}









    ④平地での植生
    {62A4EDFF-4A03-43E3-836F-40169366E5E1}



    植物探訪を楽しむ
    {BC650960-29CF-4A12-9C6C-9B79BCABEB1C}








    そして、採取したボタニカルでお日様ポカポカの中
    野外で
    カクテルを作り楽しむ
    {F0E57699-4818-41E4-98C3-3CED091BE1CE}










    鹿山、元々植物好きだが、このボタニカルまみれの1日講義でレベル10くらい上がった気がした
    この機会を作って下さった
    レミーコアントロージャパン様に感謝です



    この知識を得た上で
    個人的アイラ島ボタニカル採取と、
    オークニー諸島
    スペイサイド地方
    三つの地域で
    集めたボタニカルで

    現地採取
    現地抽出したボタニカルを
    最終地アイラ島で
    現地蒸留する



    次回、
    アイラ島最終編







    今宵、西新宿Bar BenFiddichお待ちしております





    ④最終章 スコットランド ボタニカル採取 アイラ島編

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    鹿山です












    四部構成で長々と書き貫いたスコットランド紀行もこれで最後










    ボタニスト.ジン.フォーリッジド.カクテルコンペティションでの優勝商品として行ってきた
    スコットランドは最終地であるアイラ島での集大成をお披露目する








    前回書いた記事ではレミーコアントロージャパン様が用意して頂いた
    ①アイラ島在住の植物学者の講義
    ②アイラ島在住の植物採取家との植物探訪
    ③ボタニスト.ジン製造工程見学







    そして鹿山個人企画として、
    オークニー諸島
    スペイサイド地方
    アイラ島
    での研修時間外で植物採取に勤しむ







    ここ、アイラ島でも朝9時から研修が始まるので
    早朝4時半起床
    身支度を済ませ早朝5時半より個人的ボタニカル採取を遂行
    {6CB7E134-9F68-46E7-935A-541C877134AD}
    手前の黄色い花はボタニスト.ジンの22のボタニカルであるハリエニシダ
    個体が優良な子はココナッツの香りがする






    摘む
    {73192877-A1D2-44FC-B3D9-7709DE4216C2}










    アイラ島1日目は海岸沿いを散策
    アイラ島2日目は内陸部を攻める

    内陸部は民家もなく、ただただ、荒涼としたドラクエ的フィールドが続く
    {C9114268-4F94-4084-B853-839A7BB28DA1}
    同行者の杉浦氏と早朝散策













    ヒースの絨毯にも埋もれてみたよ
    {99DC37E4-A4CE-4A9C-9262-A72B21D35ABB}









    内陸部は湿地帯が数多く存在する







    ここでは目当てのボタニカルがあり
    湿地帯に自生するヤチヤナギ(Sweet gale)を捜す
    ヤチヤナギはビールのホップ普及以前によく使用されたボタニカルであり、北海道の林業試験場から分けて頂いたときに嗅いだ香りが素晴らしく是非、スコットランド産の自生ヤチヤナギを見てみたかった




    日本では準絶滅危惧種となり、




    ヨーロッパでも減少している種であるが、ここスコットランド及び湿地帯が多く存在するアイラ島には比較的自生してると聞き、足場の悪い内陸部まで足を運んでみた







    右奥写真の水辺に自生する
    この辺になると足場、ぬちょぬちょする
    {DAFEC404-C8B3-4DFB-A5F8-E1CAEE05C8C0}












    オークニー諸島から始まり、
    スペイサイド地方の川辺、
    アイラ島
    と色々と見させてもらったが、
    日本のそれとは似てないようで似てる

    この三地方の植生探訪をし、
    鹿山、マインド的にかなりレベルアップした気がする






    以下、丹精込めて
    オークニー諸島
    スペイサイド地方
    アイラ島
    のボタニカルをアルコール抽出したやつ
    {D624D907-4432-46BA-9857-DB7CA6F5CE17}
    96度のスピリタス、
    40度のウォッカ、
    ボタニストジンの三種類を使い
    それぞれ抽出度数も変えてインフューズする











    ただやってみたかった
    スコットランドでの風土を感じながらの



    現地採取
    現地抽出
    現地蒸留



    ボタニスト.ジン
    WILD(野生)
    FORAGED(採取)
    DISTILLED(蒸留)のスローガンをここ
    アイラ島で朝陽を浴びながら男のロマンを完結する
    {FED6B5FD-1C26-4ECC-B113-E71BD093CF0E}














    ではいってきます
    {D766A9D5-CB4C-478B-BF76-F90EDDF7A664}











    ばーん
    {358FB5A6-EEC4-42FE-B380-725801475115}





    {587E4D1D-C844-48C4-A53D-5289DD44B556}
    早朝、海風が強く、
    ワームタブとグラス5cmの空中間隔に滴り落ちるニューメイクに潮風が染み込むというアイラ島的整合性も盛り込む










    アルコール度数60度に抽出したボタニカルスピリッツを蒸留すると
    前留、後留をカットするとアルコール度数が約88度になる。
    これをボタニスト.ジンの持つ通常度数46度に加水


    ここも抜かりはない


    ボタニスト.ジンの仕込み水であるオクトモアの泉から採れる源泉場で採取した仕込み水で46度に戻す
    {B20AE226-4EC0-402F-A71A-312B4A24E60E}
    ブルイックラディの仕込み水
    オクトモアの源泉がある場所へ案内してもらう







    汲み上げる
    {4E86FAFE-FC0D-442B-8BF7-9D0ACA7BFB88}




    オクトモアの源泉 
    ボタニスト.ジンの仕込み水
    {3F036330-DB8F-4785-AC34-376F74EEACD3}














    そして
    オークニー諸島、スペイサイド地方、アイラ島で採取したボタニカルのニューメイクスピリッツと
    オクトモアの源泉を東京、新宿は
    Bar BenFiddichに持ち帰り
    ニューメイクのアルコール度数88度を
    オクトモアの源泉で加水調整
    ボタニスト.ジン由来の46度に戻す
    {28EFD214-09D8-4CE2-A68B-0E5CD7EE7B2E}
    真ん中の棒はアルコール計




    アイラ島で手摘みされた22のボタニカルで構成されるボタニスト.ジンと
    鹿山がオークニー諸島、スペイサイド地方、アイラ島で手摘みした15のボタニカルが合わさり、蒸留して作られた
    鹿山的ボタニスト.ジン
    ここに完成する
    {57F159E9-DB79-4DEC-B63A-876D363CCDC0}









    お味はというと、、、










    やり過ぎた感がある








    ただ、







    ロマンがある







    日本から小型蒸留機をスコットランドへ持ち込み

    現地採取
    現地抽出
    現地蒸留


    ボタニスト.ジン
    WILD(野生)
    FORAGED(採取)
    DISTILLED(蒸留)のスローガンを
    鹿山なりの形で表現してみた



    今宵、西新宿
    Bar BenFiddich
    お待ちしております





























    ジャカルタ(インドネシア)でゲストバーテンダー

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    鹿山です








    ジャカルタはどこにあるかわかるだろうか?









    高等教育を受けた方ならおおよそどこにあるかわかると思う



    ここ
    {18FA5751-390D-4807-BACA-4D8EE2250630}


    インドネシアの首都である
    ジャカルタは

    人口は950万人

    都市圏人口は2,996万人

    日本の東京に次いで世界第2位

    東南アジア諸国連合 ASEANの事務局を抱える








    以前から興味があり、
    日本のそれとは違う
    熱帯の植生及び果実を堪能したいと思っていた
    そこに今回、インドネシアのジャカルタよりゲストバーテンダーの依頼を頂いた













    なので二つ返事で引き受け行ってきた
    {A4AA05CE-57BD-424A-BF74-39A336EF8917}







    ブォーン
    {8CC698D4-41DE-47A9-A05A-73B96A193931}







    ジャカルタ到着
    {C2529FBE-5D3E-4028-9F6C-6514208EDE33}







    今回ゲストバーテンダーをするBarは
    インドネシアはジャカルタにおいて
    大きく力のあるUnion groupという飲食グループであり
    そこにはいくつかBarが存在する







    今年発表されたAsia Best Bar 50にもランクインしている

    Bar LOEWY アジア32位

    UNION BRASSERIE 35位



    を有するジャカルタにおいて
    偉大なBarグループである





    以前から度々、
    Union groupの社長のドニーさんや広報担当のステファニーさん、バーテンダーの方々がBenFiddichに御来店頂きオファーを頂いていた






    自身も興味があり、
    赤道直下の国での
    ボタニカルや、フルーツを使ったカクテルを作りたく今回に至る





    そして、今回の鹿山の裏テーマとして
    現地の素材で手に入れ
    現地の香気成分を
    使ったカクテルを作成するという目的




    さっそく
    ゲストバーテンダーをする前にマーケットへ連れってもらう
    {93FB191F-70E2-4415-9F44-F046D910EB1B}
    フレッシュのペッパー

    オレンジリーフ

    カラマンシー

    インドネシアバジル

    ロングペッパー

    ターメリック

    蟻の巣

    ロコ ローズアップル jambu

    チンチャウ リーフ 仙草

    タランカラン

    ユクリプス

    セチャン(木の皮)

    なんでも手にはいる




    スパイスの数々
    {94F85136-0E08-4020-BC03-08EECF93783C}






    これを手に入れ、ゲストバーテンダー会場へ
    {3D700573-682F-414D-92D9-6684B5C83B7C}

    先日、仕事でアメリカへもいったが、
    ここ数年、おまかせという言葉は世界中に浸透している
    考えうるにカウンター寿司ブームの影響であろうか






    特設カウンターを設けてもらう
    {D7457F2C-589B-4E00-BB4C-11D9CAF43A0F}


    カウンター8席の一日二回転

    19時〜21時 

    21時〜23時

    の二回転の予約制のカウンター。
    おまかせのカクテルを作るという内容




    仕込みに入る
    レモングラス刻んだり
    {0E10999C-C548-4FDF-BED5-85E86DCCB498}


    オレンジリーフ、ゴリゴリしたり
    {E78C8197-0596-4DF8-BB5A-451C6E7960A2}



    これに投入し
    {46A536C1-DFD9-4D4A-AF23-71E10CC9473C}




    現地採取現地蒸留の鹿山的ジャカルタフローラルウォーターを作製
    {56425AA8-97F2-4598-AFCF-9E8ABEAE2DE8}





    こういう感じでできあがりカクテルに使う
    {2678B2A5-FA56-427B-99F2-80A4B4FB36A8}




    そして
    今回のゲストバーテンダーでの鹿山の現場サポートをしてくれた kiki moka氏
    身の回りの道具やセカンドとしての仕事をしてくれた
    {5EDCA807-8501-4095-9EA6-035442ABF779}

    kiki moka氏は世界で一番影響力のある
    ディアジオ.ワールドクラス.カクテルコンペティションのインドネシアの代表にもなり、ジャカルタのバーテンダーをとりまとめるリーダー的存在である



    海外にもよく赴き、海外のBar事情にも精通している
    日本にもよく訪れ銀座 Tenderの上田さん
    毛利Barの毛利さんを信奉しているといった。





    kiki moka氏から言われて興味深かったのは日本のバーテンダーが羨ましいと言った


    それは毛利さんや上田さんに限らず年配の熟練のバーテンダーは日本では尊敬の対象になる
    インドネシアでは今の自分の年齢(30代)でバーテンダーをやっていると
    お前は何をやっているんだと言われる
    それが悔しいと。






    なんか聞いたことある話しだなと思った

     







    それは一昔前の日本だと感じる









     

    鹿山の年齢だと自分がバーテンダーになった13年前はある程度確立されているが、
    日本も一昔前はそうだったと聞かされる
    先人達の礎があったのだと感じた




    今年は海外に赴くことが多かった
    フランス、スイス、スコットランド、インドネシア、台湾、アメリカ
    どこへいってもジャパニーズバーテティングを知っている人が多い
    何がジャパニーズバーテティングなのか、最近使われ始めた言葉であり
    有形ではないし個々の考え方が強いので誤解を招くのでここで書くのはよそうと思うが
    とかく、認識を強く感じる




    海外に赴き、日本のBarのインフラ事情は特に良い
    その代表格が氷。

    インドネシアではムスリムの国でもあるので酒の輸入制限も厳しい
    力技で個人輸入している

    その環境下で企業努力をし、若いバーテンダーをまとめるkiki moka氏を尊敬に値する



    彼はジャカルタのバーテンダーシーンを盛り上げたいとも言った
    それを欧米ではなく日本を手本にしてくれている
    嬉しい限りである







    皆でパシャり
    {9E437146-1AFB-4BC4-A6DD-17668905B87C}







    赤道直下での材料をこの目でみたいと思ってジャカルタに行ったが、
    それよりもkiki moka氏のバーテンダーとしての精神的部分を多いに学んだ




    クリスマスカクテル モミの香り Noble fir (ノーブルファー)

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    鹿山です。










    2016年3月
    訪問スコットランド植生探訪










    場所はアイラ島
    {926593FE-DE39-46D7-BA8A-59C15C9CF77A}
    (ヒースの絨毯へ埋もれて大地を感じる)









    そこで出会った
    Noble fir(ノーブルファー)
    いわゆるモミ
    {4C808E2C-1E3E-4AAC-9E61-E84AC5F61E5E}

    Noble fir(ノーブルファー)
    マツ科モミ属の常緑針葉樹
    学名Abies procera
     


    葉にわざらとしいほどのグレープフルーツの芳香がある
    {316B8FE1-6038-41E3-B235-0B92C023C975}



    Noble fir(ノーブルモミ)は基本クリスマスツリーに使われる木でもある








    クリスマスツリーで使われる木は
    ヨーロッパモミ
    コーカサスモミ
    バルサムモミ
    フラセリーモミ
    グランディスモミ
    カナダトウヒ
    ノーブルモミ
    ダグラスモミ
    シルバーモミ
    ノールマンモミ
    フレイザーモミ
    グランドモミ
    レッドモミ
    たくさんある
    他にも
    トウヒ
    マツ
    もクリスマスツリーに使われる










    要は
    常緑針葉樹であれば良い













    その中でもノーブルモミ(Noble fir)は
    オーセンティックなクリスマスツリーである





     

    このスコットランドでの感動
    ノーブルモミの葉のグレープフルーツ香を日本でお届けしたい








    場所は立川 IKEA
    2016年12月1日 am 9:00
    {E99479C1-C99F-425C-A096-1DD2734B2974}




    毎年 12月1日 OPENと同時に
    クリスマスツリー用としてIKEA全店で
    ノーブルモミ(Noble fir)が解禁される


    予約不可
    当日来場者先行販売のみである


    家族の為
    恋人の為
    自治体のイベントの為

    オープンと同時に整理券確保の為
    ノーブルモミ(Noble fir)を求めてさながら
    ディズニーランドのように並ぶ





    鹿山も遅ればせながら会場に到着
    {52D601BD-72E8-4EFB-A4B1-6882F85B777D}





    皆が一様にネットの袋を脱がせ形の良いノーブルモミ(Noble fir)を吟味する
    {37B9D997-6774-4C6B-A5CD-A0910A17B763}






    鹿山は形は関係ない




    葉に芳香が強いのが所望だ





    一つ一つの個体の葉を揉みほぐし香りを聴く
    皆が皆、一様の香りではない
    それは人間と一緒であり皆それぞれの育った環境が違うし、どの部位かでもかわる

    伐採されIKEAに届いた期間 、
    日照の当たり具合、
    10m以上となる高木であるので先端なのか下方なのかでも変わる
    ここ数年、木が好きで戯れる機会が増え
    総じて針葉樹の葉は先端部位の方が芳香が強い印象だ




    100本近くのノーブルモミを揉みほぐし、
    最も優れた枝葉を詮索
    {6DA91C77-546B-4500-8650-9CB1E3F7F0D1}










    購入したよ!
    {3AFDC877-EFFD-4D71-BD68-D32E2F4142C1}






    IKEAは植物は配送不可なので、
    恥ずかしながらモミを担いで中央線へ乗り込み新宿へ









    どーん
    {A94C59B9-B896-4431-9AD5-2B2D4791391C}






    むしる
    {F0B7AA24-AF3C-486D-A1FE-71082EDC25A9}







    叩き、芳香成分立たせる
    {86664C25-4813-4810-9DC2-933A72E64D1B}






    一本一本、アルコールに投入
    アルコールは芳香成分の吸着率が高く
    叩いて芳香成分を立たせるとすぐに染み込み
    {9AEDADFC-BD5B-4111-8D82-D6471FEE25AD}







    はい完成
    {BB457779-5F2B-41E9-AFBB-F624369F6F41}





    一本一本抽出の度合いを変えてみた

    細かく葉を刻んだもの、
    葉を叩いただけのもの、
    枝ごと大きく入れたもの、
    香りを立たせず、投入したもの、
    これは
    総じて全て香りが大きく変わる





    以前にもこのブログでモミのリキュールを言及した記事がある
    遡って参照してほしい





    モミのリキュールの誕生はまだ歴史が浅い







    歴史的には薬効成分としてはヒポクラテスの時代からモミの葉及び新芽は咳止めの薬として利用される






    嗜好品としての誕生は1900年代以降

    アルプス山脈の西端、ジェラ山脈、ヴォージュ山脈で自生するモミから作られた





    この地域 言わずと知れたアブサン発祥地域圏



    アブサンが禁止されたのは
    スイスは1910年
    フランスは1915年





    1900年代に入りアブサンが悪としての風評被害が出始めた頃
    アブサンのメッカである
    フランシュ・コンテ地域圏のスイス国境沿いの街,かつてのペルノ社の製造本拠地があった Pontarlierでモミのリキュールは誕生する



    それはPontarlierの街で今では数少なく存在するアブサン蒸留所の
    Armand GUY蒸留所が1902年に世に送り出す



    これは1915年フランスでアブサンが禁止されて以降
    後の1920年
    リカール社がアブサンに変わる代用品としてパスティスをリリースするまでの空白の数年間

    この地域でのアブサンの代用品として高純度のアルコールで発売されたモミのリキュールは大いに栄えた



    そして今日に至る




    2016年7月にPontarlierに再訪した際に伺ったエミルペルノ蒸留でもモミのリキュールを製造している
    {EF333DAF-52C3-48C0-812E-D5AB943B09C9}

    山へ連れてってもらい、様々なモミを見せてもらう





    名前を忘れたが右側を使うらしい
    {836EB773-7154-406C-A531-70C0C214AC16}


    スコットランドで香りを聴いた
    Noble Fir(ノーブルモミ)とは違う甘い香りをしたのは記憶している








    是非、今宵も BenFiddichで様々なモミの香りを聴き分けながらクリスマス気分を味わいお楽しみください
    (2016年12月23日 記事)

    自家製ミルト酒 作ってみる

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    鹿山です。







    今回はイタリアの伝統酒 ミルト(Mirto)







    ミルト酒とは何か






    主に地中海はイタリア、
    サルディーニャ島及びコルシカ島の伝統酒である
    {1D859F6B-80E3-44C6-9BEF-6B4BDB753CCA}



    和名ではギンバイカ(銀梅花)
    英名ではマートル(Myrtle)
    フトモモ科のギンバイカ属の常緑低木
    亜種も含めれば世界中に分布



    その果実を高純度のアルコールに浸漬し、糖分を加え完成させるリキュールである
    平たく言えばレモンチェッロと同等の作り方でもある






    イタリア、サルディーニャ島では
    このギンバイカが、道端、そこかしこに自生し中世の時代から今日より摘んだギンバイカの果実でリキュールが作られる







    なので、鹿山も作ってみたいので
    作ってみた
    {C9C1623E-A036-4B18-8D05-F862CE87BFFB}

    計画として鹿山畑に去る2014年から
    Mirto酒を作る為に
    ギンバイカ(マートル)の大苗をこの日の為に植えていた
    全部で4機





    果実が実る時期
    それは11月〜1月
    {BD4492C7-AE6E-4998-80DA-FE893C2EA92F}



    こんな感じである
    ギンバイカの果実
    {A80F5A4C-1421-486A-9F47-B174E786BADD}





    2015年にもギンバイカ(マートル)の果実は実ったが、ギリギリまで熟させようと思い収穫を2016年1月に計画していたら鳥さんに全部食べられてしまった
    その教訓もあり今季は11月に収穫
    {9E1AC165-23BD-461D-A450-1CD1CE41F0E5}




    ギンバイカ(マートル)の果実である
    {433A254D-8CD6-46C5-A987-7C5E5B0113CC}





    先にも述べたようにフトモモ科である
    芳香成分が強いものが多い。葉に花にも別々のわかりやすい香りがある
    果実が液果が多く万能だ
    ギンバイカ(マートル)も然り
    世界中に亜種がある
    アロマテラピーの世界観では葉に芳香成分の強いレモンマートル(南半球に分布)が重宝される
    ヨーロッパでは初夏に咲く花には食用ともされ
    果実も肉料理のスパイスとして扱われ
    宗教的な儀式にも使われる
    色々な意味で今も昔からも利用価値が高い








    素敵な木だ







    鹿山はバーテンダーなので、
    酒にフォーカスを当てる



    そして、
    イタリア サルディーニャ島に歴史的に多く自生していた
    ギンバイカ(マートル)の果実を用いて
    ミルト(Mirto)酒を作ってみる




    まず、伝統的なミルト(Mirto)酒は大別すると大きく二つに分かれる

    ①Mirto Rosso (赤)
    こちらが一般的であり、鹿山が今回作るMirto(ミルト)酒と同タイプ
    黒い果実からなるMirto(ミルト)である



    ②Mirto Bianco(白)
    白い果実を実らせる。そして、若芽ともに高純度のアルコールで浸漬して作られる。
    こちらは画像がないので拝借する

    白い果実のギンバイカ
    {CC14E8DE-D36B-4223-A90C-370DFCD6FEA4}







    では
    なぜ、サルディーニャ島では
    ミルト(Mirto)酒を作るようになったのか







    理として考察するまでもなく簡単な事だ








    たくさん自生していた
    それだけのこと





    これはヨーロッパの片田舎で行われる伝統的な家庭蒸留があるように、その家庭でとれる果樹等の余剰に対して作るフルーツブランデーを作るの似ている
    余すことなく使おう精神だ






    ミルト(Mirto)も同じこと







    果実がなるその時期に食用として、香りづけとして、それでもあり余るから酒に浸漬してみたといこと





    では今日のミルト(Mirto)酒の基盤ができたのはいつ頃だろうか





    リキュールの歴史は薬であり、ヒポクラテスの時代(紀元前)まで遡れるが、遡りすぎた。


    中世の錬金術師による創造追求により、リキュールの起源となる薬酒は進化し、修道士に引き継がれ
    サルディーニャのお隣、イタリアでは
    ロゾリオ(Rosolio)という蒸留酒に甘みと香気成分(バラやオレンジ等々)を含んだ今日のリキュールとして呼べる代物ができる


    ただ、この時代(15世紀あたり)はまだ
    リキュールは嗜好品になりつつあるも
    高級品であり貴族の飲み物であり、
    薬での立ち位置でもある



    時代の針を少し進めると
    世界最古のリキュールメーカーである
    オランダ アムステルダムのボルス社が
    16世紀の1575年に商業用リキュールとしてスタートし、販路を広める


    たぶんこのあたりからサルディーニャ島の島民の間でも各々の家庭での
    自家製ミルト(Mirto)酒を作るようになったのではないかと鹿山は考える



    16世紀後半にかけてボルス社を皮切りに各地にリキュール製造会社が出現をする。
    これは一般市民に広まっていくきっけになったと考えることができるだろう
    よって、農村の家庭でもいっちょ作ってみるかという考え(貧しいから買えないのもある)に至ると考察できる


    さらに言えば
    この時代はリキュールの文化が大きく華開く時代だ

    なぜならば大航海時代

    それ以前にもシルクロードによる交易はあるが、そこからさらに南北アメリカ、東南アジアなどのより多くの素材が盛んに行き来しやすくなる

    リキュールメーカーも大いに色々な素材を手に入れることができ、競合し、
    消費者は選択の余地もできる



    その歴史が一般家庭、農村などにも降りてきて、イタリア、サルディーニャ島でも
    その土地に多く自生していたギンバイカの果実の余剰をアルコールに浸漬し、通年お楽しみ頂ける文化が16世紀には一般家庭に広まったのだろうと考える




    文化はこうして発達してゆく







    よって、
    鹿山も歴史のオマージュとして
    ミルト(Mirto)酒を作ってみることにしてみた



    収穫した鹿山家のギンバイカの果実
    {12A70843-8F43-43CB-8943-8688F2FB4D5B}



    BenFiddichに持ち帰り保存瓶へダイブ
    {C432E568-5415-43CC-B7D5-B65563C970AA}




    トゥルルん
    {B65A7883-4EC6-4E43-8E14-65A52E7748E0}






    高純度のアルコールスピリタスを混入
    {7937F026-EF0B-4BD6-B208-D97789F9CEE1}





    一ヶ月放置
    {EDD4FB5D-FD2F-4F47-AB97-B217732B4291}




    一ヶ月後...漉す
    {EC9A37E2-28E6-456B-88EE-629C30CA7846}



    その後、万力みたいので果実に含んだアルコールと果汁もろとも搾り取る



    そして、砂糖水を作り
    ギンバイカの果実が入った高純度のアルコールに混入し、アルコール度数おおよそ30度代に
    {B9C1EE92-CEE5-406B-A537-C0C219808072}







    そして、数週間馴染ませて
    はい、完成!
    {991DC551-556C-400D-832D-94D6D7276D08}




    今回は約150gしかギンバイカの果実はとれず。
    なので、200㎜の96度のアルコールに抽出
    一ヶ月放置のち、取り出し果実の持つ水分と撮り損ねたアルコールで180㎜のアルコール80度台になる
    そこに
    砂糖水を一対一の割合で作り200㎜の砂糖水を180㎜のギンバイカの果実のアルコールに投入。
    おおよそ30度台のミルト酒の完成である





    是非、お試しください




    今宵、新宿 西口 
    西新宿 Bar BenFiddich お待ちしております







    二店舗目を出すということ

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    鹿山より突然の報告となります。









    知ってる方も知らない方も
    Bar BenFiddichは二号店をOPENする運びとなりました
    {45C0983E-855F-4576-A795-BF617FD63954}





    場所は東京都新宿区西新宿1ー13ー7大和家ビル2F











    そう、
    BenFiddichのある東京都新宿区西新宿区1ー13ー7大和家ビル9F










    つまり同ビルに二店舗目を出す。













    正直言うと二店舗目というのは考えていなかった
    いや、むしろ一店舗だけの経営で小箱で
    自分の目の届く範疇で自分の世界の探訪をBenFiddichで表現できればそれで幸福だった。













    だが、二店舗目を開業することを決断した
    {A7AECCA9-5A9D-41C9-8A1F-4DEF2307D7A4}
    物件契約締結
    もう後には引き返せない
    頑張るのだ











    なぜ二店舗目を出すことに踏み切ったのか理由がいくつかあるので説明したい







    ①最近BenFiddichに来店する方ならわかるがここ近年、忙しいBarになった
    海外メディアにもとりあげて頂き有難い事に世界各国からお客様が来て頂いている。とても嬉しい悲鳴であるし喜ばしいことだ。
    ただBenFiddichは小さなBarなのだ。
    キャパシティをオーバーしてしまい、
    せっかく目指して来店されたお客様を帰してしまっている。
    オープン当初からの常連のお客様は最近来づらいとの率直な声を頂き、足が遠のくという事態も発生してしまった
    これは鹿山自身もバーテンダーとしてキツい言葉だった
    なら
    同ビルに同店があれば少しでもがっかりさせないでいられるという考えに落ちつく

    もちろん同ビルに二店舗目あっても
    鹿山は一人だ。良き人材あっての二店舗目である。
    これは二店舗目を出す理由の②に続く











    ②日本バーテンダー協会六本木支部長としての責務
    {FE912974-CDB4-4153-8590-FB492456EE8C}

    2016年4月より前任の支部長の竹田英和氏より日本バーテンダー協会六本木支部の
    支部長として任命される








    これは世間一般の僕のスタイルから見るイメージなのか、よくなんで?と言われる 











    正直報酬がでるわけでもない仕事だ。










    支部長というと響きは良いが
    どちらかと言うと裏方の支え型の仕事が多い。










    ただ、鹿山がバーテンダー協会に固執するのは師匠がいなかった自分を育ててくれた環境が日本バーテンダー協会であって、
    20代の頃にコンペティションに勝って
    有名になろうと繋がりもなく門を叩いたバーテンダー協会の諸先輩が営業終わりに店に行って色々と指導してくれた結果がいまの自分にあると感じている

     








    恩義があるのだ
     









    支部長の任期はあと5年残ってるので全うしたい







    その中で店舗が増えれば若手のバーテンダーの働く環境としての受け皿が増える
    BenFiddichの中で大いに練習して巣立って欲しいと願う



     








    ここでBenFiddichが二店舗目を出すに当たって従業員を紹介したい
    鹿山を入れてBenFiddichはバイトを含めると
    6人のバーテンダーが配置されることになる

    平均年齢は33歳の鹿山を入れても24歳になる

    先ほど申したように若手の受け皿を作りたい。





    BenFiddichの二店舗目の店長となるのは

    松沢 健 23歳
    {376AD8F3-A578-40E6-9152-0F67875F692A}

    父が長野県は飯田市でBarを四店舗経営する御子息であるサラブレッド


    BenFiddichではかれこれ2年間務めてくれている

    多忙な業務を押し付けても文句を言わず全うしてくれているバーテンダーだ。
    仕事終わりにも疲れているにもかかわらず最近は自主的にコンペティションの練習に精を出している。
    良い結果を残して欲しい



    安見佳大 26歳
    {7C27390B-4E67-442E-8F05-F46B518D7F4C}
    彼は東京は早朝のバーテンダーの肝臓である
    アボットチョイス六本木店で店長を務めていた。
    パティシエも経験があり、
    今後は基本9FのBar BenFiddichの二番手として入る


    小笠原 萌乃 24歳
    {66F63E03-EEFF-4B07-8190-BB83E77592DA}

    半年前からBenFiddichで週末バイトしていてもらっている
    独立志向が強く、愛嬌があり
    コンペティションに向けても頑張っている




    高木美澄 19歳
    {1C843C9F-7773-457C-B647-8E0171FD10F1}

    自宅に蒸留器を所有し、自家製ビターズ作りに勤しむ19歳
    昆虫好きの不思議女子だがポテンシャルは計り知れない
    彼女も昨年から研修生としてBenFiddichに働いてもらっている




    甲斐智行 21歳
    {50E31042-58CE-496C-BC10-58EFE5B1B7F6}

    ホテルの専門学校に通う 

    非常にまじめで直向きに働いてくれている

    将来が楽しみだ


    以上6名でBenFiddichでの二店舗目はスタートする













    現在工事は進んでいる











    内装に関しては9FのBenFiddichと同じ
    木工家である佐藤忠也氏
    福島は白河の携帯の電波状況が悪い山中に工場を構える
    {21656C39-840A-4BA5-AFCF-93CFBF9D50BC}


    佐藤忠也氏とは西麻布でバーテンダーをしていたときから可愛がってもらい、
    度々福島の白河に訪問し、木を勉強させてもらっていた










    新店舗のカウンター内の御神木になるネズコの木
    又はクロベとも呼ぶ。木曽五木の一つだ。
    {6AEE6D09-2509-4334-80CC-E2FBDD3071A8}




    縦に切って開いて加工してもらった
    {F9C29883-97B6-437E-A569-1033725EAF21}







    BenFiddichのある二階に搬入
    {9FEE6FC5-51FE-4BDB-A4DA-CB2915DE2D9D}




    ワイルドに二階の店舗に突っ込む
    {9172A36A-F7DF-4358-A4E4-CB3F23534BC7}




    皆様お疲れ様です
    {7D84E8D3-7594-45FC-90E2-D0093358C617}




    続いてカウンター
    カウンターはミズナラにしてもらう
    {8AF19846-5474-4ADE-8C7B-9D8DA8F92673}






    現在工事は着々と進んでいる。
    オープン時期はまだ未定。
    店舗名に関しても後ほど発表したい
    また二店舗目のコンセプトに関しても後日お伝えできたらと思う





    平均年齢は24歳これはとても若い

    技術、経験としてもまだまだだと思う

    でも鹿山は技術経験があるだけの人間よりは
    できなくても若くてやる気がある人間に魅力を感じる
    お客様にもそう感じてもらえるBar作りをしたい

    だからこの布陣になった




    今後ともBenFiddich及び新店舗をよろしくお願い致します。






    フルーツブランデー

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    BenFiddich二号店を造作中である。


    前回のブログでもまとめたが、同ビルの二階に新しい店舗を作っている 
    {74FC346D-005F-47AD-B749-9AD8E4ED608A}
    2017年3月10日 現在
    {3B724D78-01FC-4C08-884F-C50CB48BB486} 
    ここまで進む









    まだ枠組みの段階だが
    鹿山が信頼をしている木工家 佐藤忠也氏の作品だ




    楽しみである



    9FにあるBar BenFiddich
    薬草酒を主体にしたabsintheや,
    古い薬草酒(Gin,Amaro)等を多く取り揃え
    自身の畑や山から採取したボタニカル、及びスパイスを使用したカクテルをメインにしたBarだ。



      




    いわゆる植物が主体である






    同ビルの2FのBarはコンセプトを変える








    そう、店名は







    BAR   B&F と命名








    意味はBrandy&Fruitだ





    Ben&Fiddichとも掛けている



    {517F47FB-3750-4115-BF43-F047DAF2943C}

    BRANDY MADE FROM FRUITS








    そう、二号店は







    フルーツブランデー及びフルーツカクテル
    主体のBARとなる








    9FのBenFiddich  が植物主体とするならば








    2FのB&Fは果実主体となる








    では
    フルーツブランデーとは何だ?








    広義である







    わかりやすく言うと
    万物の果実は全てアルコールになるということ








    一般的に思いつくのはぶどう由来のコニャックだろう




    次にリンゴ由来のカルヴァドスである









    しかしながら扱うのは上記のラインナップではない

    杏子
    プラム
    プルーン
    洋梨
    チェリー
    ラズベリー
    クワ 
    ブルーベリー 
    ミラベル 
    カリン
    イチジク
    etc......





    そう、


    万物の果実はアルコールになるのだ






    それを糖化、発酵、蒸留して無色透明になったのが
    広義の意味のフルーツブランデーである
    {F9BB360D-369A-4A31-A5E1-C6A076AA20BE}
    昨年訪れたフランスはフランシュ・コンテ地域にある
    Fougerolles(フジョロル)村の Paul Devoille蒸留所の熟成庫

    基本、樽ではなくデミジョンボトルにいれて保存する















    フルーツブランデーはヨーロッパ全土、歴史伝統的に家庭蒸留として造られたものが文化として広まった

    今でもヨーロッパの片田舎では家庭蒸留という伝統がある。

    この家庭蒸留こそフルーツブランデーだ

    法律上厳しい国もあるが、昔からの伝統であるが為、
    黙認されている。
    日本でいうとこの各家庭で造られていた梅酒みたいなものだ。
    各々家庭の味があったのだ
    {1312E577-E9EB-4ED1-86EC-803FE6B100D3}










    ではなぜ、フルーツブランデーが家庭蒸留としての基礎となったのか?
    答えは簡単だ。日本の片田舎でもそうがあるように
    ヨーロッパの片田舎の農家の家には果樹がある。










    果実が実る頃、
    近所へ配っても消費しきれない余剰果実ができる










    持ってても腐るだけなので、それをアルコールにしたのだ








    特に19世紀にはウィスキーでも密造が横行したように
    家庭蒸留というのが頻繁に行われた











    もちろん家庭蒸留用の小型蒸留機を持っていない家庭もある




     





    そんな方々の為にも
    19世紀には村のコミュニティに共同蒸留所というのが多く存在した

    {2DBDFF25-5D44-49EF-A5C6-170BF9AE71B0}
    昨年、アブサン蒸留所巡りをした際に訪れた
    フランシュ・コンテ地域にある小さな村に存在する
    共同蒸留施設







    屋内は19世紀から存在する
    {59C69F47-8B05-4A0F-922C-3887D25354CB}
    ここでも主に造られたのもフルーツブランデーである





    プラム、アプリコット、洋梨、リンゴ、etc....
    近所の人が家庭で採れたフルーツを発酵させて
    持ち寄りここで蒸留する









    この施設は2017年、現在でも使われている









    役場に行って申請書を書けば鍵をもらって
    蒸留できる

    作った量を申告すればフランスでは100ℓまでOKだ

    {869312DB-B5CD-4399-9404-9DC815331899}



    こういった共同蒸留所というのはフランスでは
    第一次世界大戦の時に多くは取り壊された
    時代的な嗜好品排他の流れと物資不足により蒸留設備を資源としてリサイクルする為回収された
    これは太平洋戦争末期の日本同様、鉄不足で寺の鐘や鍋が回収されたのと酷似してる








    ただ、いくつかのコミュニティは当時保護して
    現在でもこういった共同蒸留施設は少なからずだが
    残っている








    なぜ保護をしたのか?









    写真左下の
    水場導線が物語る
    {D87DA8BE-0A56-4E5E-B5B2-1E958FBE578C}


    蒸留設備がある場所は蒸留したアルコールを冷却する為の水場導線が必ずある






    そう、個人宅の水道事情のインフラが整備されていない時代
    ここは炊事、洗濯場としても利用





    いわゆる




    江戸時代の長屋の共同井戸と同じであり




    ここヨーロッパでも井戸端会議としての、
    コミュニティとしての大切な場所であったのだ
    ゆえに保護された
    そこに季節で収穫された果実の余剰果実を
    アルコールにして、蒸留する為に共同蒸留施設に
    人が集まる
    素敵な伝統文化だ。





    ゆえに鹿山が惚れ込んだのは
    いまでも各家庭で家庭蒸留して作られる
    フルーツブランデーは
    歴史伝統的に現存して
    受け継がれる本当の意味でのクラフトだ
    {F047CA7B-411F-47E0-B1E1-BBBD1BAB4B39}
    MASTERキートン 発掘:18『夢を掘る人』
    浦沢直樹 作

    MASTERキートン最終巻でのチャウシェスク政権崩壊後の元ルーマニア秘密警察との攻防の下りで出てくる一幕
    ツイカといえばルーマニア伝統のプラムのフルーツブランデー(蒸留酒)だ
    この帽子を被ったおっさんの


    『うまいツイカ作ったんだ』


    この言葉こそ
    家庭蒸留の仕事だろう







    クラフトと言えば



    昨今、大きくクラフトジンブームである

    ここまで世界でクラフトジンブームが起きた要因として考えられるのはいくつかある
    長くなるので全ては列挙しないが
    一つあげるとすれば





    地域性が出しやすいのだ




    その土地のボタニカルという
    その土地でしかない唯一無二のボタニカルという
    世界観がジンの個性を彩った

    この地域性は大きく市場価値を広げている
    地方の地産地消の世界観がマッチングするし
    さながら
    地産他消という形で外に大きく広がったのが
    クラフトジンだ





    フルーツブランデーも
    クラフトジンと同等のベクトルだ






    むしろそれ以上のベクトルがあると考える事ができる







    多くのクラフトジンは原料用アルコールというのは
    大工場で買い入れ、 
    もしくは自社で原料用アルコールを作っているところはそれなりの規模の蒸留所だ
    ボタニカルにはこだわるが意外に原料用アルコールに関しては大きく謳うところは少ない
    ブランドによっては大工場への生産委託だ





    ゆえに話しは戻るが
    フルーツブランデーという世界観は
    大きいブランドはそれなりの規模の蒸留施設で作られる




    ただ、




    いまでも歴史伝統的に本当の意味でのクラフトとして作っているのはフルーツブランデーだ






    家庭で採れた余剰果実をアルコールにして嗜好品として嗜む伝統文化





    その土地の
    その土地による気候風土により育まれた
    その土地でしかない唯一無二の収穫された果実をアルコールにして蒸留してできあがる



     


    フルーツブランデーの地域性が如実なクラフト感がボタニカルを広範囲で取り繕うクラフトジンの世界観をより凌駕すると鹿山は考える







     
     
    その世界を新しい店舗である






    Bar B&Fでは伝えていきたい






    よろしくお願い致します






    それではフルーツブランデーは広義なのでもう少し掘り下げたい






    まず
    国によっても呼び名が違う

    フランスなら→Eau de vie (これはブドウも含まれる)


    英語圏であれば→ fruit brandy (これはブドウを除外する)もとい、同じ英語圏でもイギリスとアメリカでは解釈は異なる









    次に
    バルカン半島諸国
    (セルビア、クロアチア、ボスニア、アルバニア、マケドニア、ブルガリア、コソボ,ギリシャ)

    ここでのフルーツブランデーはラキヤである。
    バルカン半島諸国は言語が異なるので、
     rakiya,rakija, Rakia, rachiuと呼び方が微妙に異なるのでラキヤに統一する


    ラキヤの名前はオスマン帝国時代のトルコのアニス酒であるラクの派生で、ラキヤとなる

    バルカン半島においてのフルーツブランデーは
    国民的飲料だ。
    {D1A95CA6-051A-4B8F-A237-3D000DF2DE92}

    ここでも
    杏子
    プラム
    プルーン
    洋梨
    チェリー
    クワ 
    イチジク
    マルメロ
    リンゴ
    ブドウ
    などの様々果実から糖化発酵、蒸留して
    アルコールが作られる









    ラキヤの一つの特徴として、
    できあがった果実の蒸留酒から
    ハーブで風味づけ、蜂蜜で甘みをつけたもの、
    あるいはそこに更に果実を浸漬するラキアもあるのだ








    バルカン半島以外の東ヨーロッパである一部の国では
    歴史伝統酒として法定義を設けているフルーツブランデーもある。呼称制度を設けて大事に文化を守っている地域もあるのだ。





    その東ヨーロッパのフルーツブランデーを紹介しよう



    ハンガリーだと  → Palinka パーリンカ

    ルーマニア→ Tuika ツイカ







    まずルーマニアのツイカについて説明しよう
    呼称基準、法律もあるのだ

    ①ツイカはプラムの発酵、蒸溜によって造られたルーマニアの伝統的な蒸留酒であり、
    認められているのはプラムのみで、他の果実から造られた飲料はツイカとは名乗れない
    発行は木の樽またはステンレスタンクで行わなければいけない(他の資材はダメなのだ)

    ②蒸溜は銅のボイラー又は国が認めた蒸溜設備で行わなければいけない

    ③ツイカは1回蒸溜でも、2回蒸溜でも良い。
    熟成も可能だが、木樽熟成、瓶内熟成又はステンレスタンク熟成しか認めらない(他の素材の樽や容器が禁じられている)

    ④アルコール度数は24度以上でなければならない。熟成期間によって下記の三つのカテゴリーがある

     ・熟成していない:ツイカ
     ・3年以上熟成している:オールド・ツイカ
     ・7年以上熟成している:ツイカ・エキストラ

    ⑤ツイカの材料はプラムだけで、他の材料の利用は禁止(甘味料、香料、着色料などの使用が禁止)
    ツイカはルーマニア全国で造られている





    続いて、ハンガリーの呼称であるパーリンカについて説明したい。





    パリンカはプラムだけでなく、様々なフルーツの発行と蒸溜によって造られたハンガリーの伝統的な蒸留酒である。
    2004年にハンガリーの伝統蒸留酒として法定基準を設けた
    ①認められているフルーツは:プラム、ミラベル、りんご、ラズベリー、ブラックベリー、アプリコット、桃、洋梨、フサスグリ、ブラックカラント、スコア、マルメロ
    ②発酵は木の樽またはステンレスタンクで行わなければいけない

    ③蒸留は銅のボイラー又は国が認めた蒸溜設備で行わなければ駄目だ

    ④熟成も可能だが、木樽熟成、瓶内熟成又はステンレスタンク熟成しか認められていない

     




    パリンカという言葉はもともとお隣のスロヴァキア由来
    スロヴァキアからハンガリーに渡り、ハンガリーからルーマニア一部に渡ったと言われる
    又、チェコ、ポーランドの一部地域もパーリンカと呼称する
    これは陸続きの国にありがちな歴史背景がある
    ここに関してはもっと深く掘り下げたい
     





    ルーマニアのツイカの話しに戻るが
    ルーマニアのトランシルヴァニア地方はその昔ハンガリーに支配されていたため、
    「パーリンカ」という言葉が普及したのはハンガリーの影響だと考えられる
    {C7ED281A-479E-4558-89C9-582EBD8EEDC6}

    濃いオレンジが狭義のトランシルヴァニア
    薄い場所も含めた広義のトランシルヴァニア

    ルーマニアでもツイカではなくパーリンカと呼ぶ地域は存在する

    又、
    ルーマニアのマラムレシュ地方で作られている「ツイカ」を「ホリンカ」と呼ぶ。
    {5D5993CF-657C-4B82-9F68-9B830FD93307}

    パーリンカに名前は近いがアイデンティティは違う
    法律上で「ホリンカ」と「ツイカ」の定義は全く一緒。マラムレシュのツイカであることをアピールしたいメーカーは「ホリンカ」を使う。ホリンカという言葉に歴史的な背景があって、マラムレシュ地方の人々は昔から「ツイカ」ではなく「ホリンカ」という言葉を使っていたので、特別に法律上で認められている。したがって、「ホリンカ」は地理的表示ツイカの意味で、プラム100%のマラムレシュ地方のツイカであることを保証する。
     





    そう、非常に細かいのだ







    長くなったが、

    万物の果実はアルコールになるということ

    この世界観を伝えていきたい

    {F4B3D0A2-4728-4EFC-A029-06B8C172C164}

    今宵 西新宿 Bar BenFiddichをよろしくお願い致します





    シチリア島 カターニアでのバーテンダーとしての仕事

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    こんにちは 鹿山です










    現在 二店舗目であるBar B&Fを造作中

    その合間を縫うように
    三月はシンガポールでの
    『シンガポールカクテルウィーク』という一週間続くアジア最大級のカクテルフェスティバルでの
    ゲストバーテンダーの仕事










    四月はイタリアのシチリア島 カターニアで行われる
    BarItaliaというBarの祭典及びカクテルコンペティションの
    審査員と鹿山個人のマスタークラス開催として召喚された


    赤点のここ
    カターニア
    {FA472B23-9855-428F-8E4F-CDF78B2035B2}













    最近海外からのオファーが多い











    僕でいいんですか?みたいにおもう












    恐縮ではあるが
    逆に審査員としてはたくさんのカクテルが飲めるという大いなるメリットもあるので快く受け入れて
    さっそくイタリアまで行ってきた























    ブィーン
    {C8FD7E96-3215-448A-87F3-DD9FB7F028A8}


























    はい    イタリア到着
    {7B069E07-F0AD-47B8-980C-36AD5CC4C15E}
    経由地であるミラノで一泊
    そしてその後、シチリア島はカターニアへ




    右手の人差し指と中指にタバコを挟んでいる人物がステファノさんという方で
    今回の仕事のオファーをくれた人物でもあり
    主催者側のメンバーだ

    スケジュール管理は彼がしてくれて
    二店舗目の準備もあり
    イタリアの事前下調べをしていない鹿山にとっては
    彼無しではイタリアの旅は遂行できなかったろう
















    そして本来の目的であるイタリアのBarの祭典である
    BarItaliaというイベントでのBenFiddichのマスタークラスのセミナーを開催
    {6F7E6CFA-F03F-4C2E-9C3E-32D23B713055}













    ブルブルだ
    {11F1DDD4-8DD6-41CD-AC59-D42AFDFED4A7}









    日本で行われるバーテンダーのセミナーだと
    日本人はおとなしい。
    質疑応答でも一部の積極性のある日本人が頑張って質問してるくらいで
    過半数の日本人は聞きたいことあっても聴衆の前だと恥ずかしいから終わった後にコッソリ聞きにいこうとするくらいだ

















    しかしここは
    流石はラテン国家イタリアだ














    質問の嵐で収拾がつかないのと、
    デモンストレーションで作ったカクテルをいち早く飲む為に席を立ってにじり寄ってくる















    この貪欲さ、日本人見習うべきである














    あと、自己紹介で鹿山は『アマーロが好きだ』
    というと歓声が沸き起こる




    前日のミラノのBarであった出来事を喋れば
    『イタリアのバーテンダーは日本のバーテンダーと違い、皆が口角を上げた表情の笑顔で喋り接客をしてくれる。素晴らしいことだ』

    といえば歓声が沸き起こる


















    リミッター振り切れるぐらい自国愛が強い


















    主催者側から話して欲しいことを事前にまとめられた

    ①日本の氷文化について
    ②ハードシェイクは日本では主流なのか?
    ③日本においての現在の流行りについて
    ④BenFiddichでのシグネチャーカクテル






    まず①の氷文化だ。
    このBarItaliaの大会のメインの賛助会でもある

    イタリア国内においてもBar専用として
    氷屋が出来始めている

    丸氷、ブリリアンカットの氷、などなどだ。


    日本の氷の歴史に関しては
    『東京府のマボロシ』という本で日本の氷史に関しては言及しているのでその知識を披露







    ②のハードシェイクについて

    イタリア国内において有名な日本人バーテンダーは
    銀座Tenderの上田さん。
    ハードシェイクの概念を作った人物であり
    イタリア人バーテンダーの中ではレジェンド化しているのだ

    いまは多様化していることをお伝えした




    ③日本においての現在の流行りについて

    これは難しい。比較的、皆が皆、我が道をいっている


    強いていうならネットの普及により
    日本と海外の距離が近くなったことにより
    海外に出ていく日本人バーテンダーが増えたこと、
    及びその経緯をお話しした





    BenFiddichでのシグネチャーカクテル


    ハーブかスパイスを使ったカクテルをやってくれとの
    オーダーだったので
    日本から大量の素材を持ち込んだ
    {0A7B913B-538B-45EA-BEF1-0F0A192F7C5A}


















    その後、マスタークラスが終わった後に
    今回の選手達の目玉である
    カクテルコンペティションの開催だ。
    恐れ多くも審査員として召喚される
    {FB0E9C7A-3EE0-4C3F-9704-0F57DF76D6F2}

    イタリアにおいて権威のあるバーテンダー達だ







    このBarItaliaという大会
    毎年開催されているがテーマが毎年変わる

    今年はアペリティフカクテルのイタリアNo. 1を決める大会である

    そして、各都市チーム対抗戦であること。
     
    チームリーダーが台の前に立ってるプレゼンター


    そして後ろに立ってる四人がそれぞれの
    テーマに沿ったカクテルを作るのだ
    {5168E902-D4EE-4831-A8A1-109E4EAEC1C0}


    こんな内容である
    {5F3296F9-BB45-456B-A7FC-9D3C0D1B0857}

    ①Twist on classic  

    ②Aperitivo on the go

    ③Food pairring


    採点基準は
    味覚
    プレゼンテーション
    技術
    の三項目だ




    五人1チーム
    各都市の選抜されたチーム編成だ

    そして、各賛助会メーカーが入っているので
    チームそれぞれに賛助会の会社がつく
    上記の写真は
    ベルモットやスパークリングワインで有名な
    GANCIA社だ。
    そこで
    GANCIA社の商品を使い
    ①Twist on classic  

    ②Aperitivo on the go

    ③Food pairring

    の三つのカクテルをそれぞれ一人一つずつ制限時間内に作る
    さらに一人は③Food pairringの為にフードを作る

    さらにチームリーダーはプレゼンターで

    これで五名1組だ。












    この中で特に面白かったのが
     








    ②のAperitivo on the go だ









    わかりやすくいうとテイクアウトカクテルだ








    イタリアは最近、Barの外、及び店の共用部分のテラス席から
    はみ出た場所でのグラスを傾けて飲むのは
    法律で禁止された













    危ないからである












    通報されたら店側に重い罰金がある















    しかし、グラスではなく紙製のコップでならOKとのこと














    そこで今回②のAperitivo on the goが種目に加わった


    {752A38DA-D7C3-4363-BF58-A0C553B3BEF1}
    真ん中のカクテルがAperitivo on the goのカクテルだ

    ペットボトルの容器に入ってるのだ
















    アトマイザー容器に入ったカクテル
    {7C30A251-9C66-434F-AEE2-5BF210B6F78B}
















    もうお土産みたいな形のカクテル
    {A31B9E8E-CFD4-4C0B-879B-4C429EE23D5E}

    皆がみな創意工夫を凝らしていて面白かった











    審査員をやらせてもらい良かったと思う

    Aperitivoのカクテルの大会はもとより

    やはりイタリアのバーテンダーはベルモットやアマーロの使い方が上手だ

    参考になった













    そして、今回の裏テーマを決めていた

    どこにいってもアマーロを飲むということ』
    {4F3A6D8B-7302-4433-9CF4-ACAB1394130E}








    この裏テーマは
    去年、ニッカウィスキーの仕事で
    ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコに赴いた際に
    『どこのBarに行ってもサゼラックカクテル』を飲むという所業と同じ鹿山的裏イベントだ。
    その際は数十杯のサゼラックを飲難しい


    海外に出るとたくさんの刺激がありたくさんのものを吸収できる素地がある
    日本と違うからだ

    ただ、

    短時間でたくさんのことを吸収すると
    大抵のインプットが中途半端で終わる


    一つのテーマを決めて、絞ってやると
    比較対象ができあがるので面白いし、興味深い


    鹿山は後者が好きだ



    なので、せっかくイタリアに行ってたくさんの素晴らしいお酒達がある中

    鹿山は付き合い上の会食の時間以外は
    アマーロしか飲まなかった



    おかげでアマーロ好きな日本人から
    すごいアマーロ好きな日本人に昇格だ










    当店にもたくさんのアマーロを大量購入してきたのでお楽しみください







    今宵、西新宿 Bar BenFiddich
    お待ちしております





    Bar B&F 造作過程

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    鹿山です。

















    二店舗をやるにあたりの決意表明から早4ヶ月が経つ















    元々、二店舗目を考えていなかったのが、
    なぜ二店舗目をOPENするに至ったかは前のブログを参照














    まだBenFiddichに返済が残っているのに
    イキって日本政策金融公庫からまたもや借り入れをして
    もう
    ブルブルな感じの鹿山だが
    ようやくOPENの目処が立つ












    OPEN日は4月23日の日曜日に決定だ





















    このブログはOPENの4月23日までの軌跡を書こうと思う

























    元々、足裏マッサージが入っていたが綺麗サッパリにしてもらう{418DAC70-1D2B-4A3B-AE0A-C8ADBC149DB6}
















    そして、大事な内装業者だが、
    鹿山が独立前からお世話になっている
    木工家の佐藤忠也氏にお願いする。
    これはBenFiddichと同様だ


    彼の工場は福島は白川の栃木との県境の山中にあるので日々行き来した
    打ち合わせの段階ではまだ冬だ
    {01C4747F-87B9-4FD8-9B35-DBFB1B898E2E}



















    住所登録のなされてない&携帯の電波が弱小な場所が
    彼の工場だ
    {3B57514A-8FD3-4A24-AF97-068DD988D25A}
















    木工家である佐藤忠也氏は木のプロフェッショナルだ
    かれこれ30年以上木と触れ合っているので
    彼の工場に保有する材木は多種多様だ









    今回右の二番目にある『ネズコ』の木

    別名クロベとは呼ばれる

    ヒノキ科の常緑高木

    木曽五木の1つだ
    {DDF024AB-C868-4B7F-945D-2DFE4FE9F229}


















    これを半分に割り開いて
    新店舗であるBar B&Fの御神木とする
    {8116A976-8817-4936-9782-0E4BDEF630E2}



















    カウンターは彼の保有する今は希少な
    ミズナラのカウンターだ
    今回はL字カウンターにするので二枚にする
    {585C4598-2E9D-4FB3-AE23-7EC11157CFFA}






















    これを世界No. 1の乗降客数を誇る新宿駅の駅前で
    真昼間から通行人を制止してワイルドに搬入
    {F3652E56-606E-4F05-A549-7DD458317628}
















    ネズコの木の搬入が最も困難だ
    {CDD8DEAD-F97A-442E-9FB0-C5DE0C8E0502}























    そこからは着々と造作だ
    {78BDB3BE-C1F8-42C2-9ADF-C3D972FC73EF}















    こんな感じになる
    {EFDAAE46-6614-4EC8-A4B9-2D9D11E8F077}
















    煉瓦を貼りそこから漆喰塗りだ
    {7F4B09C2-0841-4C3C-A631-CDADAC8844B2}













    壁紙貼り、ハンドメイドの『アサダ』の木材で作る
    椅子も出来上がる
    {A9C38AFD-E53A-49FE-A41D-F06DCD17AAE6}








    奥の椅子がハンドメイドの『アサダ』の木で作る椅子
    テーブルが『楓』の木
    手前のソファーが『栗』の木だ{D2216A30-A76E-4A19-9CD3-1584124D65C9}

















    そして『ミズナラ』のL字カウンターも完成だ
    {F873802A-8B99-47DD-95D1-9EDF4BEF5C98}





















    からの、どーん!
    大枠が仕上がる
    {718400FD-DE0D-416C-80BD-2E48015A766C}














    後は細かい部分及び備品調達、各種申請を済ませて
    残りOPENまで一週間を頑張る














    今宵、西新宿 Bar BenFiddichをお待ちしております





    禁制前のアブサン(absinthe)を呑む キューゼニア オキシジェネ

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    鹿山です


    今回は100年以上前のabsintheについて








    当店のBenFiddichには100年以上昔の
    禁制前のabsintheがたくさんある
    {0C6CC9A5-0D16-4753-9E68-99C02191490A}
    ファミコンのドラクエで
    コツコツとレベル上げをして意味もなくレベル99まで到達して悦に入る少年時代

    大人になっても好きなもの(absinthe)をコツコツと収集して
    悦の領域に入るのは変わらないのだ


    {3FD34ED7-EEEE-4260-B2DD-5A987C0C6B48}



    そして、バラモス城付近に出現するはぐれメタルを倒してレベル99でバラモスやゾーマに対して圧倒的強さで勝利を収める

    鹿山はコツコツ型だ









    話しは戻り








    先日行われた『酒育の会』でabsintheセミナーにおいて講師としてabsintheを語らせてもらった
    {6EC935AB-F868-423F-803D-8E5F8F3646F5}

    内容として

    アブサンの歴史及び製造方法の実演

    1 アブサンの歴史

    2 現代アブサンの現地情報 
    フランスアブサンの聖地 ポンタルリエからスイストラヴェール地方の現地レポート

    3 ボタニカルブームからの観点による今後のアブサンの流れの考察

    4 アブサンを使った古典カクテル&現代版のカクテルの実演

    5 アブサン試飲アイテム

    6 自家製アブサンの造り方、実演



    {F0924113-F0D1-40EE-A9E1-11724838DDEE}







    このセミナーにおいてのよくあった質問
    さらにはBenFiddichのカウンターでの常日頃の
    質問としてよく聞かれるのが
    禁制前のabsintheと現代のabsintheはどう違うのかという事項











    禁制前の基準としての年号は
    1915年以前としておく









    19世紀後期より


     absintheが禁止になった国々をざっくり列挙していくと

    1898年にアフリカ コンゴで禁止

    1905年ベルギー

    1909年オランダ

    1910年 スイス

    1912年アメリカ

    1913年イタリア

    最後に

    1915年フランス

     








    最も流行していたフランスでのabsinthe禁制が最後なのは巨大産業となるabsintheの多額な税収を捨ててしまうという国の実情





    周りの国々がabsinthe禁制になっていく中



    フランス国内では必死にabsinthe禁制免除を訴える対抗勢力が存在




    それはもちろん政治業界まで喰い込んだabsinthe愛好家であり、直接的でも間接的でもabsinthe産業に関わるもの達だ



    ペルノ一やデュバル、エドワード、キューゼニアなどabsintheを作れるのは大手のみ(粗悪なabsintheの排除)という提案

    もしくはさらなるabsintheの酒税への増税など

    情状酌量措置を提案するが



    当時ヨーロッパを圧巻している(後に繋がるアメリカ禁酒法)禁酒論者のabsintheに対するヒステリックな糾弾


    それに拍車をかけて援護射撃するワイン業界によるロビー活動

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    この当時の風刺画が解りやすい

    他のアルコールがある中、特にabsintheが代表して
    ギロチン台に登壇させられている









    absinthe禁制の是非

    フランス政府も最後の最後まで悩み抜く





    が、





    1914年 第一次世界大戦勃発という混乱期、及び贅沢は敵という風潮がトドメを刺してabsinthe及び華やかなベルエポック期の終焉となる

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    話しは戻り

    禁制前のabsintheと現代のabsintheはどう違うのかという事項









    答えは
    absintheという基本概念は大枠でいうと変わらない
    ただ二者を比較するとこうだ



    現代absinthe(absinthe解禁の2000年代以降)
    ほぼ全ての造り手が当時のオマージュとしてのレシピ復刻として造っている

    ②当時の非absinthe生産国でも作られている

    ③国によっても異なるがabsintheの主成分における
    ワームウッド、フェンネル、アニスなどの成分による薬事法上の基準値が国ごとに設けられる(これは大雑把で守られてない)




    禁制前のabsinthe(1915年以前)

    ①粗悪なネゴシアンが蒸留所から買い入れたabsintheに工業用アルコールでカサ増しされ販売
    これは芸術家や一般市民が飲んでいた下級absintheだ
    (これに関しては別の時に記事として書きたい)
    ブランド名の記載がないabsintheがある




    ②逆に出所がわかるブランド名が記載されている
    absintheは高級absintheだ。
    ペルノー、キューゼニア、ベルジェ、エドワード、デュバルなどだ

    ブランド名記載の禁制前absintheに関してはいくつか飲んだが
    抜群に旨い
    良質なアニスはアフターがチョコレートのニュアンスがあり、そこにワームウッドが良質であるならば干し草のようなハーバル感が加わる
    このアニスとワームウッドの絶妙なコンビネーションは禁制前のabsintheの特徴だ。
    当時一世を風靡していたabsintheなだけに
    各々が切磋琢磨した時代だけあり高級ラインナップは
    旨い。
    それは原料の良し悪しであるが、
    需要が高ければ原料も良い。

    ボタニカルである原料は保存期間が長ければ質が落ちる。
    常に回転していれば原料の質は落ちない

    日本に流通する乾燥ハーブ、スパイスの香りがたまに残念なのがあるが、これが原因だろう
    消費者に落ちる前にどこかに長く留まっている

    absintheの決め手であるニガヨモギも当時は現地で栽培して収穫しているのも強い
    いまは他国からの輸入品が多い




    ③100年のボトルエイジングによる味わい



    ボトルエイジングに関しては賛否があるが
    鹿山は肯定派だ
    何をもってのボトルエイジングなのかは色々と言いたい人はいるが大いに変わる

    absintheは単体原料ではなく様々なボタニカルから成す。
    この部分でも単体原料のアルコールよりは経年で味わいが顕著に変わる
    更に100年の経年によりアルコールの揮発により
    液面低下する。
    禁制前のabsintheのアルコール設定は基本70度前後だ。
    揮発することによりアルコール濃度が下がっても50度代はキープし、
    むしろストレートで飲んでも旨い
    そして現代においては700ミリボトルが多いが
    1930年代以前のボトルはリッター瓶が基本の為
    空間における液体アルコール残存量が大きく保存に向く。








    以上がざっくりした違いだ







    そして
    今回 BenFiddichにおいて
    紹介する禁制前のabsintheについて御紹介したい
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    Cusenier社のabsintheだ。

    ボトリングとしての時代は1911年〜1915年である

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    この上の表記の『ELIXIR HYGIENIQUE』
    が1911年〜1915年
    それ以前は『ABSINTHE』という表記なのだ

    1910年にはabsinthe発祥の地スイスでも禁制になった為、この1911年〜1915年では表記に対しても気を使われている。


    それ以前の画像をネットより拝借した

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    表記は『absinthe』だ


    この
    Cusenier社は日本でもお馴染みのリキュール総合蒸留所だ
    今では多数のフルーツリキュールをフランスから世界中に送り出しているビックカンパニー


    もとい、この蒸留所の創立は1868年
    1870年代から
    absintheとKirschを専門とする蒸留所としてスタートをした。



    そしてこのCusenier社は
    absinthe業界、いや酒類業界としては
    初となる酸化熟成促進法(Oxygenee)という新技術を導入する

    Cusenier(キューゼニア)蒸留所の酸化促進プロセスOxygeneeの記述だ

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    鹿山が持っている

    J.Fritsch の 1904年改訂版

    『 Nouveau Traite de la Fabrication des Liqueurs』の古書

    {725570AD-EDC3-4E3E-BBC9-9500AFB55335}




    この文献に記載の

    Cusenier(キューゼニア)蒸留所の酸化促進プロセス(Oxygenee)の
    記述

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    各部の部品の説明
    {FEBC142E-DAD4-4F94-AA09-7BDF8BE6F06D}




    原理的には

    圧力ポンプを使い、スプレー菅からアブサンをブシャーっと噴射し、分子をバラバラにさせてからそこに酸素をブシャーっと送りこませる。

    ものすごい勢いで酸素に触れ合う事で酸化が進み、熟成したようなまろやかな味わいになる。

    この工程のOxygeneeはアブサンの高級銘柄の代名詞になる



    なぜこの方法がとられたかは、二つ理由がある

    ①まだまだ科学が未発達だった19世紀アブサン最盛期において、アブサンはワームウッド(ニガヨモギ)によるツヨンの成分に幻覚作用を引き起こすといういわれがありその独自の酸素処理が潜在的に有害な性質を取り除けると主張し、行われた。


    ②当時、爆発的に人気のあったアブサンの生産が追いつかなくなり、早く出荷させる為にこのような方法がとられた。

    (スピリッツ全般にいえることだが、蒸留したてのものは分子結合が終わってないので味わいが荒くしばらく寝かせないといけない為)

















    今も昔も嗜好品というものに対して人々は様々な工夫をした

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    禁制前のabsinthe達(1915年以前)












    一つの時代と文化を創り上げたお酒だ













    もちろん現代のabsintheも素晴らしい
    これからも進化してゆく











    しかし、禁制前のabsintheにはロマンがある











    時間の針がその当時で止まっていて、鹿山が生きていない時代に確かにそこに存在した












    鹿山はそこに嗜好品としての究極を感じれる














    Cusenier absinthe OXYGENEE
    1911年〜1915年
    歴史を感じながら
    是非BenFiddichのカウンターでお飲みになってください

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    BenFiddich 四年経過

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    鹿山です

















    2013年7月1日をもってBenFiddichがopenして四年が経過した
    {8FA8E548-8F07-4B82-A3E1-81B5E290DF7A}
    (四年前の写真である。お祝いで頂いたお花、諸先輩、仲間、お客様から頂戴)












    四年前は材木選びから始まった
    {8688AD0E-7C9C-4763-9881-567805C1725D}







    製材して
    {B467C7FF-725F-4D1C-BC1C-ACF00F9AB097}







    BenFiddichの柱になってたりする
    {860771BE-52C7-4DB4-B42E-66389C1BCBBD}






    BenFiddichのブラックウォールナットのカウンターだ
    {5E281892-9969-4359-9BBE-362464877880}









    時間がなかったのでかなりの急ぎめで工事したのを覚えている
    {1B5FA7AE-7E63-45CD-A9A5-5A504D27CE88}





    こうゆう感じで完成
    {2060FD3D-7BD7-4D4F-A2D9-B128D691AD8C}





    重機を搬入し
    {F4E212C3-0811-4929-B2C3-76A2778A91CD}







    自分がコツコツ貯めていたものを搬入し
    {3C907373-5C5B-4478-8966-E57EB03955D8}





    ゼロベースなのが
    {A3374B4C-B0A7-431D-8BE1-F9FA0622F9C9}
    完成
    {C912E21F-5ECA-4330-BA98-1FCF7C8EA218}



















    openしてから四年

















    あっという間だ

















    10年、20年以上店を守り続けてる諸先輩方を改めて尊敬する

















    最初は古巣の港区から新宿区での文化圏の違う場所でのましてや雑居ビルの上層階での開業
    一抹の不安はあった


















    無論、open当初は暇なBarだ




















    ただ、当時は一人でのんびりやっていたので

    暇なBarで店主が一人、

    お客様はごく数人

    和気藹々と楽しくやっていた

    一人でやって一人で完結して一人でゆっくりやってるそんな時間が好きだった





















    今では有難いことに忙しくしている



















    忙しくしていると暇だった時によく来てくれたお客様は足が遠のいた
















    状況の変化は変えられない

    けれど忘れた頃に思い出した様に顔を出してくれた時には言葉では伝えられないが心底嬉しい














    今は

    同ビルに二店舗目も作り

    従業員もそれなりに抱え

    バーテンダー協会の六本木支部長にもなり

    育ててもらった恩返しを含め

    後進を育てようとも思うようになり
    この四年で意識が変わった

    昔の様には戻れなくなった















    四年でこの変わり様だから
















    一つの目標である10年







    あと6年間









    また大きくBenFiddichは変わるだろう












    贔屓にしてくれたお客様、バーテンダー仲間、諸先輩方
    感謝すると共に
    今後も鹿山博康は目標の10年を目指して
    走り続けたいと思っています。






































    日本バーテンダー協会六本木支部シードル完成

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    BenFiddichの鹿山です



















    鹿山は現在、
    日本バーテンダー協会六本木支部の支部長だ



















    基本的にイレギュラーがなければ毎月、支部において研究会として様々な活動をする

















    その、研究会の一環として毎年六本木支部では課外授業をする。






    昨年の12月に
    六本木支部オリジナルシードルを作ろう
    という企画が発足し
    遂に
    2017年5月
    に完成した
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    日本バーテンダー協会六本木支部オリジナルシードル






















    知ってるようでよく知らないシードル

















    りんごの木を見た事もない支部会員もいるだろう




















    ということで












    長野県松川町のまし野ワイナリー様の御協力の元















    一泊二日をかけての

    林檎の収穫

    選果

    洗浄

    破砕

    プレス

    タンクへ移動(ポンプ)

    デブルバージュ(果汁清澄)

    酵母添加


    体験をしてくる

    {7C078204-F274-4679-9DE0-699C8F2CAF8B}



    新宿からバスを貸し切り、長野県松川町に突撃だ



    {94F4AE98-FA94-4130-BCA8-33AC47B98402}

    毎度の事だが、明け方まで仕事をしているバーテンダーは早朝の集まりに弱い

    この日も勿論集合時間に間に合わないバーテンダーが現れる訳だが、
    六本木支部は常に定刻出発するので
    間に合わない人間は残念ながら
    置いていくのだ
    {6817A6ED-E82C-4069-B8BC-A65CA702BC79}






















    長野県松川町のりんご園に到着
    {16CF287D-D471-4B75-8019-A4AA3D0B6232}














    皆で収穫体験をする
    {06F5A0FE-C6A1-4DF0-A53E-98C31EA6EDBB}

    170kgの林檎を収穫

    {126922FB-79F7-45C6-916E-5B5138C1424E}



    そこから100リットル以上のシードルを作成予定だ

















    収穫体験したりんご達を松川町にある
    ましのワイナリー様の施設へ運び込む
    {64BB6984-435C-44BF-8D9D-41A950058C97}




















    林檎を洗浄、選果、破砕
    {8CF748AC-4A30-42BB-8E07-640E82F52984}

    ブィーン
    {7371CFF5-DB13-4E9F-8726-DCFFC7F6DC21}






    酵母添加
    {D73938BB-3EB8-4D23-A05B-38E889B4F140}



    一通り終わったら恒例のレクリエーションだ
    弊社BenFiddichの松沢が地元ということで高台にある公園に案内してもらい
    東京の中心の盛り場で日々働く六本木支部会員の純真無垢を取り戻し穢れを浄化する
    {4DC8836A-CF0B-446E-8E76-699708E25970}

    {8C48E8FB-41F1-4230-A749-39B2C1765420}

    {E6071C8C-9F53-44C6-86AC-0FF9EA285C3B}
















    昨年12月の六本木支部の研究会として行った
    日本バーテンダー協会六本木支部シードル











    そこから半年経過し













    完成だ
    {CAEA3B22-A6CE-41AA-A33F-03713738CC27}



    あまりBarで取り扱いの少ないシードル


    林檎の収穫

    選果

    洗浄

    破砕

    プレス

    タンクへ移動(ポンプ)

    デブルバージュ(果汁清澄)

    酵母添加


    ここまでを体験し


    アルコール一次発酵

    澱引き等を経て

    瓶内二次発酵へと進み完成








    良い経験ができたと思う











    弊社

    BenFiddich並びにBar B&Fで飲むことができますので

    お待ちしております








    今宵、西新宿 Bar BenFiddichお待ちしております









    Asia Best Bar 50

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    BenFiddichの鹿山です








    世界的にも権威のある
    World Best restaurant 50










    というものがある
     











    馴染みがある方もない方も
    一昨年日本のマンダリンオリエンタルホテルに店ごと期間限定で移転して来ていたデンマークはコペンハーゲンのNOMAなどは記憶に新しい

    貴店は2010年、2011年、2012年、2014年に世界一に輝いている



    では一体、どんなものなのか?
    以下、とある記事の文面を拝借




    世界ベストレストラン50(The World's 50 Best Restaurants)とは

    英国のウィリアム・リード・ビジネス・メディア社が2002年に設立した世界的なレストランアワード。年に一回、各国の食の専門家や評論家など930余名の評議委員の投票数により、世界中のレストランの中から選ばれた50店をランキングで発表する。1位のレストランには年間200万件ものアクセスが集中し、ランキングが料理業界だけでなく、観光を含む国の経済効果にも大きく影響するといわれる。



















    そう、影響力が大きいのだ














    実はウィリアム・リード・ビジネス・メディア社は
    レストランだけではなく



    World Best Bar50




    というBarの部門も実はある





    これも世界のBar業界においては権威が強い



    ここ、日本においては最近注目が集まり始めている

















    それとは別に2016年から








    Asia Best Bar 50

    というアジア圏のみのBest50も発表された





    恐れ多くも
    BenFiddichは

    2016年に21位
    2017年に22位

    という光栄な順位を頂いた















    以下、2017年における
    Asia Best Bar50のリストだ

    1. Manhattan, Singapore

    2. Speak Low, Shanghai, China   

    3. Bar High Five, Tokyo, Japan 

    4. 28 Hong Kong Street, Singapore

    5. Indulge Experimental Bistro, Taipei, Taiwan

    6. Operation Dagger, Singapore

    7. Quinary, Hong Kong, China

    8. Stockton HK, Hong Kong, China

    9. The Union Trading Company, Shanghai, China

    10. Lobster Bar, Hong Kong, China

    11. Tipping Club, Singapore

    12. Atlas, Singapore

    13. The Bamboo Bar at Mandarin Oriental, Bangkok, 
    Thailand

    14. Gibson, Singapore  

    15. Alice Cheongdam, Seoul, South Korea

    16. The Pontiac, Hong Kong, China

    17. Employees Only, Singapore

    18. Backstage Cocktail Bar, Bangkok, Thailand

    19. Sober Company, Shanghai, China

    20. Native, Singapore

    21. Jigger & Pony, Singapore  

    22. Bar BenFiddich, Tokyo Japan 

    23. The Curator Coffee & Cocktails, Manila, Philippines

    24. Zuma, Hong Kong, China

    25. Bar Orchard Ginza, Tokyo, Japan  

    26. 8 ½ Otto e Mezzo Bombana, Hong Kong, China

    27. Charles H, Seoul, South Korea

    28. Bar Trench, Tokyo, Japan  

    29. D.Bespoke, Singapore

    30. Nutmeg & Clove, Singapore

    31. Star Bar, Tokyo, Japan 

    32. Le Chamber, Seoul, South Korea

    33. Janes & Hooch, Beijing, China

    34. Q&A Bar, Bangkok, Thailand

    35. The Other Room, Singapore

    36. Lamp Bar, Nara Japan  

    37. Aer Bar & Lounge, Mumbai, India

    38. Sugarhall, Singapore

    39. East End, Taipei Taiwan

    40. Vesper, Bangkok Thailand

    41. Omakase + Appreciate, Kuala Lumpur, Malaysia

    42. The Chinnery at the Mandarin Oriental, Hong Kong China

    43. Potato Head Beach Club, Bali, Indonesia

    44. Bar D.Still, Seoul, South Korea

    45. ABV, Makati, Philippines

    46. Teens of Thailand, Bangkok, Thailand

    47. Keepers, Seoul, South Korea

    48. Dr. Fern’s Gin Parlour, Hong Kong, China

    49. Club Boys Saloon, Taipei, Taiwan

    50. The Night Rooster Cocktail Bar, Bali, Indonesia










    日本のBarは6件がランクインしている。


    しかし、海外で活躍している
    日本人オーナーのBarを含めれば
    合わせて12件ものBarがランクインしている

    これは光栄な事だ



















    しかし、ここで疑問が湧くだろう















    いったいどんな基準で選ばれているのか?















    これはウィリアム・リード・ビジネス・メディア社から投票権を譲り受けた人間が各国に割り振られる









    実は鹿山も2016年から投票権を貰っている

    もちろん自身のBarには投票できない







    毎年投票方法は違う





    が、
    2017年の投票方法はこうだ





    ①自身が選ぶBarを7つ答える

    ②そのうち自国のBarは4つまで。あとは海外のBarを選ぶ

    ③自身と営業、利益に携わるBarは選べない


    ととてもシンプルなのだ















    ではなぜBenFiddichが選ばれたのか?

    それは
    BenFiddichには数年前から海外のお客様がよく来店して頂いている
    その影響も強いのだ









    ではなぜBenFiddichに海外のお客様がたくさん来るようになったのか?


















    きっかけがあったのだ













    これは個人の倫理観の問題なのだが
    鹿山がBenFiddichをopenする前から



    趣味でabsintheを作っていた













    全てはそこから始まった










    噂を聞きつけた海外のabsintheマニアが発信をしてくれた













    そこから海外のメディアが来るようになった












    そこから更に別のメディアが
    absinthe以外の別ジャンルもとりあげられるようになった













    そして現在に至る
















    そう、一芸があった
















    一芸は大事だ















    最近は忙しさにかまけてabsintheに関しておざなりになっていた


       




    このような名誉ある賞を頂けたのは





    全ては大好きなabsintheから始まったのだ











    原点に帰りabsintheを更に極め昇華させようと
    思った
    2017年の夏
    {F0F6DE82-95CB-430B-A358-09599AFE543E}















    今宵 西新宿 Bar BenFiddichお待ちしております

    自家製ミルト酒 作ってみる

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    鹿山です。








    今回はイタリアの伝統酒 ミルト(Mirto)







    ミルト酒とは何か






    主に地中海はイタリア、
    サルディーニャ島及びコルシカ島の伝統酒である
    {1D859F6B-80E3-44C6-9BEF-6B4BDB753CCA}



    和名ではギンバイカ(銀梅花)
    英名ではマートル(Myrtle)
    フトモモ科のギンバイカ属の常緑低木
    亜種も含めれば世界中に分布



    その果実を高純度のアルコールに浸漬し、糖分を加え完成させるリキュールである
    平たく言えばレモンチェッロと同等の作り方でもある






    イタリア、サルディーニャ島では
    このギンバイカが、道端、そこかしこに自生し中世の時代から今日より摘んだギンバイカの果実でリキュールが作られる







    なので、鹿山も作ってみたいので
    作ってみた
    {C9C1623E-A036-4B18-8D05-F862CE87BFFB}

    計画として鹿山畑に去る2014年から
    Mirto酒を作る為に
    ギンバイカ(マートル)の大苗をこの日の為に植えていた
    全部で4機





    果実が実る時期
    それは11月〜1月
    {BD4492C7-AE6E-4998-80DA-FE893C2EA92F}



    こんな感じである
    ギンバイカの果実
    {A80F5A4C-1421-486A-9F47-B174E786BADD}





    2015年にもギンバイカ(マートル)の果実は実ったが、ギリギリまで熟させようと思い収穫を2016年1月に計画していたら鳥さんに全部食べられてしまった
    その教訓もあり今季は11月に収穫
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    ギンバイカ(マートル)の果実である
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    先にも述べたようにフトモモ科である
    芳香成分が強いものが多い。葉に花にも別々のわかりやすい香りがある
    果実が液果が多く万能だ
    ギンバイカ(マートル)も然り
    世界中に亜種がある
    アロマテラピーの世界観では葉に芳香成分の強いレモンマートル(南半球に分布)が重宝される
    ヨーロッパでは初夏に咲く花には食用ともされ
    果実も肉料理のスパイスとして扱われ
    宗教的な儀式にも使われる
    色々な意味で今も昔からも利用価値が高い








    素敵な木だ







    鹿山はバーテンダーなので、
    酒にフォーカスを当てる



    そして、
    イタリア サルディーニャ島に歴史的に多く自生していた
    ギンバイカ(マートル)の果実を用いて
    ミルト(Mirto)酒を作ってみる




    まず、伝統的なミルト(Mirto)酒は大別すると大きく二つに分かれる

    ①Mirto Rosso (赤)
    こちらが一般的であり、鹿山が今回作るMirto(ミルト)酒と同タイプ
    黒い果実からなるMirto(ミルト)である



    ②Mirto Bianco(白)
    白い果実を実らせる。そして、若芽ともに高純度のアルコールで浸漬して作られる。
    こちらは画像がないので拝借する

    白い果実のギンバイカ
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    では
    なぜ、サルディーニャ島では
    ミルト(Mirto)酒を作るようになったのか







    理として考察するまでもなく簡単な事だ








    たくさん自生していた
    それだけのこと





    これはヨーロッパの片田舎で行われる伝統的な家庭蒸留があるように、その家庭でとれる果樹等の余剰に対して作るフルーツブランデーを作るの似ている
    余すことなく使おう精神だ






    ミルト(Mirto)も同じこと







    果実がなるその時期に食用として、香りづけとして、それでもあり余るから酒に浸漬してみたといこと





    では今日のミルト(Mirto)酒の基盤ができたのはいつ頃だろうか





    リキュールの歴史は薬であり、ヒポクラテスの時代(紀元前)まで遡れるが、遡りすぎた。


    中世の錬金術師による創造追求により、リキュールの起源となる薬酒は進化し、修道士に引き継がれ
    サルディーニャのお隣、イタリアでは
    ロゾリオ(Rosolio)という蒸留酒に甘みと香気成分(バラやオレンジ等々)を含んだ今日のリキュールとして呼べる代物ができる


    ただ、この時代(15世紀あたり)はまだ
    リキュールは嗜好品になりつつあるも
    高級品であり貴族の飲み物であり、
    薬での立ち位置でもある



    時代の針を少し進めると
    世界最古のリキュールメーカーである
    オランダ アムステルダムのボルス社が
    16世紀の1575年に商業用リキュールとしてスタートし、販路を広める


    たぶんこのあたりからサルディーニャ島の島民の間でも各々の家庭での
    自家製ミルト(Mirto)酒を作るようになったのではないかと鹿山は考える



    16世紀後半にかけてボルス社を皮切りに各地にリキュール製造会社が出現をする。
    これは一般市民に広まっていくきっけになったと考えることができるだろう
    よって、農村の家庭でもいっちょ作ってみるかという考え(貧しいから買えないのもある)に至ると考察できる


    さらに言えば
    この時代はリキュールの文化が大きく華開く時代だ

    なぜならば大航海時代

    それ以前にもシルクロードによる交易はあるが、そこからさらに南北アメリカ、東南アジアなどのより多くの素材が盛んに行き来しやすくなる

    リキュールメーカーも大いに色々な素材を手に入れることができ、競合し、
    消費者は選択の余地もできる



    その歴史が一般家庭、農村などにも降りてきて、イタリア、サルディーニャ島でも
    その土地に多く自生していたギンバイカの果実の余剰をアルコールに浸漬し、通年お楽しみ頂ける文化が16世紀には一般家庭に広まったのだろうと考える




    文化はこうして発達してゆく







    よって、
    鹿山も歴史のオマージュとして
    ミルト(Mirto)酒を作ってみることにしてみた



    収穫した鹿山家のギンバイカの果実
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    BenFiddichに持ち帰り保存瓶へダイブ
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    トゥルルん
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    高純度のアルコールスピリタスを混入
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    一ヶ月放置
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    一ヶ月後...漉す
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    その後、万力みたいので果実に含んだアルコールと果汁もろとも搾り取る



    そして、砂糖水を作り
    ギンバイカの果実が入った高純度のアルコールに混入し、アルコール度数おおよそ30度代に
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    そして、数週間馴染ませて
    はい、完成!
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    今回は約150gしかギンバイカの果実はとれず。
    なので、200㎜の96度のアルコールに抽出
    一ヶ月放置のち、取り出し果実の持つ水分と撮り損ねたアルコールで180㎜のアルコール80度台になる
    そこに
    砂糖水を一対一の割合で作り200㎜の砂糖水を180㎜のギンバイカの果実のアルコールに投入。
    おおよそ30度台のミルト酒の完成である





    是非、お試しください




    今宵、新宿 西口 
    西新宿 Bar BenFiddich お待ちしております







    二店舗目を出すということ

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    鹿山より突然の報告となります。










    知ってる方も知らない方も
    Bar BenFiddichは二号店をOPENする運びとなりました
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    場所は東京都新宿区西新宿1ー13ー7大和家ビル2F











    そう、
    BenFiddichのある東京都新宿区西新宿区1ー13ー7大和家ビル9F










    つまり同ビルに二店舗目を出す。













    正直言うと二店舗目というのは考えていなかった
    いや、むしろ一店舗だけの経営で小箱で
    自分の目の届く範疇で自分の世界の探訪をBenFiddichで表現できればそれで幸福だった。













    だが、二店舗目を開業することを決断した
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    物件契約締結
    もう後には引き返せない
    頑張るのだ











    なぜ二店舗目を出すことに踏み切ったのか理由がいくつかあるので説明したい







    ①最近BenFiddichに来店する方ならわかるがここ近年、忙しいBarになった
    海外メディアにもとりあげて頂き有難い事に世界各国からお客様が来て頂いている。とても嬉しい悲鳴であるし喜ばしいことだ。
    ただBenFiddichは小さなBarなのだ。
    キャパシティをオーバーしてしまい、
    せっかく目指して来店されたお客様を帰してしまっている。
    オープン当初からの常連のお客様は最近来づらいとの率直な声を頂き、足が遠のくという事態も発生してしまった
    これは鹿山自身もバーテンダーとしてキツい言葉だった
    なら
    同ビルに同店があれば少しでもがっかりさせないでいられるという考えに落ちつく

    もちろん同ビルに二店舗目あっても
    鹿山は一人だ。良き人材あっての二店舗目である。
    これは二店舗目を出す理由の②に続く











    ②日本バーテンダー協会六本木支部長としての責務
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    2016年4月より前任の支部長の竹田英和氏より日本バーテンダー協会六本木支部の
    支部長として任命される








    これは世間一般の僕のスタイルから見るイメージなのか、よくなんで?と言われる 











    正直報酬がでるわけでもない仕事だ。










    支部長というと響きは良いが
    どちらかと言うと裏方の支え型の仕事が多い。










    ただ、鹿山がバーテンダー協会に固執するのは師匠がいなかった自分を育ててくれた環境が日本バーテンダー協会であって、
    20代の頃にコンペティションに勝って
    有名になろうと繋がりもなく門を叩いたバーテンダー協会の諸先輩が営業終わりに店に行って色々と指導してくれた結果がいまの自分にあると感じている

     








    恩義があるのだ
     









    支部長の任期はあと5年残ってるので全うしたい







    その中で店舗が増えれば若手のバーテンダーの働く環境としての受け皿が増える
    BenFiddichの中で大いに練習して巣立って欲しいと願う



     








    ここでBenFiddichが二店舗目を出すに当たって従業員を紹介したい
    鹿山を入れてBenFiddichはバイトを含めると
    6人のバーテンダーが配置されることになる

    平均年齢は33歳の鹿山を入れても24歳になる

    先ほど申したように若手の受け皿を作りたい。





    BenFiddichの二店舗目の店長となるのは

    松沢 健 23歳
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    父が長野県は飯田市でBarを四店舗経営する御子息であるサラブレッド


    BenFiddichではかれこれ2年間務めてくれている

    多忙な業務を押し付けても文句を言わず全うしてくれているバーテンダーだ。
    仕事終わりにも疲れているにもかかわらず最近は自主的にコンペティションの練習に精を出している。
    良い結果を残して欲しい



    安見佳大 26歳
    {7C27390B-4E67-442E-8F05-F46B518D7F4C}
    彼は東京は早朝のバーテンダーの肝臓である
    アボットチョイス六本木店で店長を務めていた。
    パティシエも経験があり、
    今後は基本9FのBar BenFiddichの二番手として入る


    小笠原 萌乃 24歳
    {66F63E03-EEFF-4B07-8190-BB83E77592DA}

    半年前からBenFiddichで週末バイトしていてもらっている
    独立志向が強く、愛嬌があり
    コンペティションに向けても頑張っている




    高木美澄 19歳
    {1C843C9F-7773-457C-B647-8E0171FD10F1}

    自宅に蒸留器を所有し、自家製ビターズ作りに勤しむ19歳
    昆虫好きの不思議女子だがポテンシャルは計り知れない
    彼女も昨年から研修生としてBenFiddichに働いてもらっている




    甲斐智行 21歳
    {50E31042-58CE-496C-BC10-58EFE5B1B7F6}

    ホテルの専門学校に通う 

    非常にまじめで直向きに働いてくれている

    将来が楽しみだ


    以上6名でBenFiddichでの二店舗目はスタートする













    現在工事は進んでいる











    内装に関しては9FのBenFiddichと同じ
    木工家である佐藤忠也氏
    福島は白河の携帯の電波状況が悪い山中に工場を構える
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    佐藤忠也氏とは西麻布でバーテンダーをしていたときから可愛がってもらい、
    度々福島の白河に訪問し、木を勉強させてもらっていた










    新店舗のカウンター内の御神木になるネズコの木
    又はクロベとも呼ぶ。木曽五木の一つだ。
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    縦に切って開いて加工してもらった
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    BenFiddichのある二階に搬入
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    ワイルドに二階の店舗に突っ込む
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    皆様お疲れ様です
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    続いてカウンター
    カウンターはミズナラにしてもらう
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    現在工事は着々と進んでいる。
    オープン時期はまだ未定。
    店舗名に関しても後ほど発表したい
    また二店舗目のコンセプトに関しても後日お伝えできたらと思う





    平均年齢は24歳これはとても若い

    技術、経験としてもまだまだだと思う

    でも鹿山は技術経験があるだけの人間よりは
    できなくても若くてやる気がある人間に魅力を感じる
    お客様にもそう感じてもらえるBar作りをしたい

    だからこの布陣になった




    今後ともBenFiddich及び新店舗をよろしくお願い致します。






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